政治月旦が指摘する北方領土問題のいい加減さ

産経新聞の政治月旦はその名前の由来を考えれば内容に示唆するものが多く含まれているはずだ。ちょっと古くなるが6月13日の「「主権を有する島々」北方四島か二島か」はまさにそんな感じだ。産経新聞という立場に配慮した表現の文章の中に埋め込んだ「示唆」が味わえる。冒頭の、

「旧ソ連時代を含め、ロシアに長らく不法占拠されてきた北方領土は、先月19日に閣議に報告された外交青書で「わが国が主権を有する島々」と記載された。領土である以上、当然だが、「島々」が何かは明示されず、「四島」かどうかさえわからない。交渉を続けるロシア側に配慮するあまり、日本側の立場が後退したようにも映るが、政府の主張はこれまでも大きく揺れ動いてきたのが実態だ」

からは我が国の領土交渉に一貫性がなかったことを指摘している。主張がぐらぐらしていては相手にしてもらえぬのは当然だ。そして、北方領土の主権についてあるとしながらその対象が何なのかを書かぬ外交青書なんてものを出すのだから、そもそも外交など存在しないようなものだ。

「返せ、北方領土」と叫んでみてもその北方領土がどの島なのかを明示できないというのである。そこには領土交渉など存在しえない。

記事にはおかしな部分もある。

「北方領土をめぐる安倍政権の対応は一貫性が欠けているようにも見えるが、実は政府は戦後、日本の国力や国際情勢に合わせ、主権をめぐる立場や交渉方針を柔軟に変えてきた」

後段を読めば、まさにそれが一貫性のない行動を言うのである。その時々で言を左右にする者の言うことなど誰も信用しない。国家間においてもそうであろう。それにしてもはっきりものが言えぬ産経新聞としては自らの事を書いているような気分だったのではないか。

そして電子版の記事ではこういう部分が巧妙に削除されているようである。

ということで書き始めたが「なまずるい文章」を見て続ける意味を感じなくなった。これじゃあ「新聞の矜持」が見えない。

 


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