「専守防衛」は危うい本土決戦論、と榊原智は言うが

産経新聞には「風を読む」なるコーナーがある。「風しか読まないのか」といった文句など言うまい。海流までは読まなくても少なくとも風は読むのだから。

さて6月30日の該コラムの題は「「専守防衛」は危うい本土決戦論」というもので書き手は論説副委員長の榊原智だ。

「本土決戦」という言葉は、各所で戦をしたうえで、敗戦を重ね、遂に本土にこもって戦うほかなくなった時の言葉ではないのか。緒戦が決戦では、本来それを決戦と呼ぶべきか疑念を持つ。冒頭は、

「地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入計画が撤回された。政府が、これに代わるミサイル防衛体制を含む新たな安全保障戦略を検討していくことになった」

『導入計画が撤回された』ではなく「政府が導入計画を撤回した」と書くべきだろう。「政府」を気にして腰砕けの表現にするのはいただけない。結婚式の美辞麗句と同様、嘘だと思われる。

政府がイージス・アショアに代わるミサイル防衛体制を含む…、とあるが、その先に記述の、

「中国は、2千発以上のミサイルを日本に向けている。それらには核弾頭を搭載できるものがある」

のであれば、日本が国を守るには仮に百発百中の迎撃ミサイルがあったとしても2千発以上を配備しておかねばならぬことになろう。猿でもわかるほど非現実的ではないのか。端からイージス・アショアなどさして意味のあるものには見えないではないか。

「敵基地攻撃能力保有の是非が焦点となる」

そうだろうか、もし仮想敵を中国とするならば、その国土面積は極めて広い。幾つもある、しかも多くは隠されている敵ミサイル基地を事前にすべて把握し、選別し、攻撃し、殲滅できるわけがなかろう。潜水艦からのSLBMになど手も足も出ない。

本気で防衛を考えるなら仮想敵よりも能力の高い兵器をより多く保有しなければならない。本気で国を守るにはくだらない「専守防衛」など考えぬことだ。

榊原智も、

「本来は、日本侵略を決める政治中枢も叩(たた)ける「積極防衛」を理念とするのが望ましい」

と一歩踏み込んだがまだ不足だ。「望ましい」のではなく「そうすべき」なのである。そして最後はもっと駄目だ。

「それを憲法が認めないというなら、憲法解釈の方がひどく誤っている」

馬鹿なことを言うものではない。憲法の「解釈が間違っている」のではなく「憲法そのものが間違っている」のである。こういう半端な意見を持つから日本の防衛方針が定まらなくなるのではないか。

 


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