園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(237)本社からの訪問者(7)若杉社長(続続続)

若杉社長のオーストラリアの各機関、各社訪問の際には、「白のストレッチド・リムジン」で移動するので手配する様にと本社から指示が来た。パースの石油鉱物省と宿泊ホテルの間は無料市内循環バスを利用しても5分もかからない。歩いて行ってもさしたる距離ではない。最初は本社の連中が土地勘がないから馬鹿なことを言っているのだと思った。然し聞いてみればご本人たっての希望だという。別にエルビス・プレスリーのような芸能人か、アメリカやアフリカの成金が乗るような『白いストレッチド・リムジン』なんかに乗らなくてもと思うばかりか、何もそんな恥ずかしいことをしなくてもと思ったが、本社からの命令だという。それも全滞在先での移動はそのようにせよというのだ。やむなく旅行会社に手配を依頼した。

すぐさま、レッツゴーオーストラリアの女性社長から電話がかかってきた。『白いストレッチド・リムジンなどを、それもキャンベラなどでは道路の反対側に移動するだけだよ。そんなところで使えば、頭がおかしいと思われるよ。どこかの成金の王様じゃあるまいし、黒のベンツ辺りにしたらどうだろう』というのだ。極めて尤もな話なのである。しかし、バカと思われようとオーストラリアの市民に笑われようとそれが社長の命令なのである。通産省の審議官までになった人なのだから海外における常識くらい知っていると思ったが、実際には何も知らないようだった。ご本人は「恥をかき捨てて」別の地に移動していくから別として、現地に駐在しているものにとっては、関係会社の人だけでなく、一般市民からも非常識な社長がいる会社と囁かれる状態になるのである。これも日本の石油開発が上手く行かない理由の一つではないか。石油開発会社の社長には、成金の派手なタレントみたいな人間では務まらないのである。当時、多くの方から元気づけの御言葉を頂戴したものだ。

 


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