園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(236)本社からの訪問者(6)若杉社長(続続)

まことしやかな嘘をついてのアポなのだから実際に訪問した時の社長の発言を聞いたらさぞ驚くはずだ。最初の訪問先の西豪州政府の石油鉱物大臣訪問が一番問題だった。民間会社ではなく政府の大臣なのだ。以降の業務に支障が出ると思われた。

折悪しくこの訪問の少し前に其の大臣からレターが届き、我々が試掘作業をするときのベースを西豪州においてほしいと要望してきていたのである。レターが来た以上、レターで返事をしなければならない。必要なのはディプロマティックな英文の作文能力である。小学校からの英会話教育で身に着ける幼時英語など役に立たないことは無論の事だ。此の時に日本の学校教育における英文解釈と英作文主体の英語教育がとても役立った。何やら仮定法過去、仮定法現在などのオンパレードなのである。「もしそこにベースを置く事に依ってダーウィンに置く場合よりも大きなメリットがない場合には、そもそも北部準州でオペレーションをしているのでございますからなかなかご希望には沿いかねます」なんて内容を丁寧に、ひたすら丁寧に書くのである。敬称だってMr.ではない「Honourable ( Hon.)」などに変化する。

大臣室に入った途端に「小野さんからは先日丁寧なレターを戴きました」と言われてしまった。

さてこの訪問には若杉社長の御指名の女性通訳が同行してきていた。英語くらい話せなくては、と社員に云う会社の社長なのであるが。(続く)

 


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