園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(232)本社からの訪問者(2)開発技術者

組合だけではなく視察とか調査と称して出張してくるものもいた。本社の作井部の三屋と生産部(施設)の加来の二人が出張でパースに来るので立ち寄ると連絡があった。パースには北西大陸棚の開発関係の事務所は存在するが、ヤードなどは皆無で、本来の技術的な部門はシンガポールにあるのに、何をしにパースに来るのかが疑問だった。調べてみればパースの前にシンガポールに立ち寄るという。こういう場合は“海外旅行”と見てまず間違いないだろうと感じていた。

その二人が事務所にやってきた。滞在中に、パース事務所をベースに使いたいとのことなので、「どうぞ」と許可した。そしてその翌朝の事である。事務所に出勤すると大会議室に見知らぬ男が座っているではないか。石油会社の探鉱作業や、データは機密事項である。部外者が事務所員が不在の間に入り込むなどあってはならないことだ。すぐにその男に、名前と所属を問いただした。答えに驚いた。SODECOという会社のものだと答えた。許可なく人の会社の事務所に入り込むとはけしからんといって追い出した。秘書になぜ中に入れたかと詰問すると、その男が来て自由に事務所を使ってよい」と許可を受けていると言ったので、との返答だった。自社の社員に事務所立ち入りを許可したが、他社のものに許可したことはない。そして三屋と加来のどちらも他社のものを同行しているとも、事務所に立ち寄らせるとも申告すらしていなかった。石油開発屋として失格である。そして後で分かったのは、三屋と加来の出張にはSODECOの男が出張中の世話係としてお供に来ていたことである。作井や生産の人間の海外出張の実態を見てしまった。案内人付きで”大名旅行”をしているのが常態化しているように感じた。こんな緊張感のない出張をするものに良い仕事が出来るわけがない。彼らを見る目が変わったのはもちろんである。いかにも越後石油である。

 


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