園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(231)本社からの訪問者(1)労働組合

労働組合と言えば、労働者の利益を搾取する憎き存在の会社側に対して労働者を代表して戦う、そんなイメージであった、かつては。しかしメーデーに大規模更新など見る事もなり、時代の移り変わりを感じる。

一般企業の労働組合がそうなのだから、“官営”企業の労働組合など、もとより戦う意欲を持たない。私のいた会社では労働組合の専従者(委員長を含む)は会社側が選んでいた。勿論形式的には組合員が選んだことになっている。かつて一度紹介したことがあるが、会社側(人事部関係)が組合委員長候補者に対して、委員長を退任して会社に復帰した後の処遇を約束する文書が拾得され、ばれてしまったことがあったそうである。

そんな組合にやる気がないのは当然の帰結であろう。私がサハリン石油開発協力に出向した6年間、組合費は取られたが、組合からはビラ一つ送られてこなかった。勿論あのような食糧すら十分でないところになど視察にも来なかった。本来一番労働条件の調査が必要なところなのだったけれど。

オーストラリアのパースという、美しいところに事務所を構えた時、観光にも最適だし、カジノもあるし、きっと組合が来るぞと言っていたら本当に来ることになった。組合から2名、どういうわけか人事部から松永が付いてくるという。純粋な組合の調査ではなく、会社側が組合幹部の労働環境調査名目での海外旅行をしていると見れば分かりやすいだろう。それでなければ人事部から付き添いが来る必要などない。

私は一日だけお付き合いをした。キングスパークのレストラン、フレーザーでランチを共にしたのである。食後、陽だまりの中で、美しいパースの町と幅の広いスワンリバーを一望しながらお茶を飲み、談笑したことを覚えている。聞かれるままに海外プロジェクトの問題点などを話したが「こんな内容の話を聞くのは初めてでしょう」と松永が組合の人に話しかけるのが当時は不思議だった。海外プロジェクトに関して不勉強以前の無知なことに驚いた。譬えて言えば、ブッシュマンがニューヨークに来たの図、であろうか。文明開化以前の様相だったのである。

 


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