プロジェクトの設立を目的とせず、商業価値を有する油ガス田を得るためには(5/8)人材はいるか?

識者の質問に、

「日本人の技術者・経営者に頑張ってもらいたいのですが、開発につながる有望な地質を発見できる有能なジオロジストは存在するのでしょうか?」

がある。答えは、有望な地質を発見できる有能なジオロジストは滅多にいない、となろう。大学の地質部門で石油の探鉱開発を教えているところなどないだろう。では企業に入ってOJTで身につくだろうか。この答えもNOである。石油資源開発での経験から言えば、私個人として同社で得た技術などはほとんどない。入社早々から海外プロジェクトに出向ばかり、その中で海外の技術に触れ、実際に探鉱に従事し、新手法を試し、油田を発見し、評価し、開発し、生産までを経験してようやく石油鉱業というものが理解できた。山というものはいくら麓とベースキャンプを往復しても、頂上登攀との経験を得なければ本当の登り方など知ることはできないものである。探鉱だけの体験では探鉱の在り方そのものも理解できないのである。まして試掘不成功しか経験がないものなど、幹部になどしてはならない。私も、国内の本社などにずっといたならただの穀潰しになっていたかもしれない。現実に『エクソンは…』「シェルは…」などと企業規模も経営形態もまったく異なるメジャーの論文紹介をし続け、油田になど縁のなかったものが副社長になんぞなっているのである。既存の会社も戦力にはなるまい。

ただ、私が真剣に、

「もしもだが、本社を海外に置き、給与はドル払い、言語は英語といった条件で、会社を設立したら付いてくるものはいるか?」

と探鉱部で発言した時、数人は「是非」と言ってくれた。やる気のないものなど邪魔になるだけである。「少数即ち精鋭となる」が解決の道だろうか。社内で教育プログラムを作り、講習なども始めたが、私が出向したら途絶えてしまった。経済産業省の言う通りなんでも請け負う実施機関の域を脱しようとしないだけでなく、それで良しとする人間を重用するのである。

随って国内に能力のあるものは極めて少ないだろう。

 


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