プロジェクトの設立を目的とせず、商業価値を有する油ガス田を得るためには(3/8)自浄作用などない。粉飾を見破り、なくせ!

新型コロナウィルスの世界蔓延に依り、世界中の経済活動は低下し、まるで胸の赤ランプが点滅した時のウルトラマンの如き状況になっている。当然原油価格は暴落し、歴史上初めてのマイナス価格すら出現した。となれば、石油開発会社などあっという間に大赤字、プロジェクトの特損処理も避けられない。此の未曽有の危機は新たな石油政策策定の絶好機なのである。

しかし、すでに死んでいる状態の会社が、表向きのごまかしでゾンビ化しているのを放置するならば、危機感など出ず、「丘を越えればアナザースカイ」的な楽観論を頼りに何も変わらぬ可能性がある。とりわけ、企業当事者もだが、従来の石油政策の誤りを指摘されたくない経済産業省は隠蔽に注力するだろう。

例えば国際石油開発帝石のイクシスなど、LNGの生産を開始した途端に第二次開発と称して同じガス田の追加開発を始めた。4兆円超ともいう第一次開発資金の返済もこれからという時点で埋蔵量アップへの作業追加は、元来公表している埋蔵量が粉飾されている可能性を示している。それはともかく数年前でも原油価格がバーレル当たり60ドルを越えなければ採算がないと言われてきたイクシスの採算性は従来も、現在も(現在のLNG需要と価格は悲惨なもののはず)なかっただろう。それが証拠に既に大阪ガスはイクシス権益を減損処理したし、パートナーのトタールは権益の売却を志向し、その分を国際石油開発帝石が買い戻す(買い戻さざるを得なかった?)ということが起きている。採算性があるなら誰も減損処理などしないし、権益売却などしないだろう。(付言すれば、国際石油開発帝石がインドネシア政府と基本開発契約を結んだアバディではパートナーのメジャーが撤退したらしい) では何故イクシスの採算性の誤りを監査法人が指摘しないのだろう。潰れては困る経済産業省の強い意向が働いていることは十二分に想像できるが、それ以上にイクシスプロジェクトが40年以上継続する(ことになっている)ものだというところから、40年間に原油価格(LNG価格)がどこまで上がっているか分からないという会社側の主張を否定できないためだ。つまり「実際に潰れるまでは潰れない」との、企業経営とは思えない態度なのである。今も堀内光雄がいれば、その無理な強弁を世に問うことができたのに…というところである。

石油資源開発にしてもカナダオイルサンドという爆弾を抱えている。現行の原油価格が20ドルのどうのと言ってもそれは個々の地域の価格ではない。カナダのアルバータ州内での原油価格は既に一桁だと聞く。イクシスと同様に最低限60ドル以上の価格でなければ採算などないと言われるカナダオイルサンドが破綻処理されずに存続していることが不思議である。特損処理をした場合にその額が大きすぎて石油資源開発本体まで沈没するからとほっかむりをしているとしか思えない。因みに今から36年前にカナダオイルサンドプロジェクトの評価をして、このプロジェクトはできる限り早期に終結させるべきだとレポートを書き、意見を述べたのは私自身だった。不幸にして我が評価は当たっていたのである。

石油公団ありし頃、企画調査部なる所で将来の油価予測というものをしていた。石油公団投融資を受けるためのプロジェクトの採算検討にはその石油公団の予測値を使っていた。何故ならその予測は極めて甘く、それを使えばほとんどのプロジェクトは「有望」となり、投融資対象になれたからなのだ。石油公団の乱脈投融資のからくりの一つと言えよう。(似た状況は国家財政検討における将来の経済成長率の非現実的設定にも見える)

このような、政府(経済産業省)の意味のないメンツのために、悲惨な企業を優良企業とする粉飾が行われ、そしてそれが許されるどころか奨励されている、経済産業省のいわば悪事を止めさせる必要がある。第一歩は民間の衣をまとった官営会社を消し去ることが重要である。

(4月28日に伝えられたところではイクシスの5月渡しLNGは最安値記録の百万BTU当たり1.70−1.75ドルとのことだ。https://www.reuters.com/article/us-australia-lng-exports/inpex-sells-lng-from-australias-ichthys-plant-at-record-low-traders-idUSKCN22A0TI

 


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