プロジェクトの設立を目的とせず、商業価値を有する油ガス田を得るためには(2/8)堀内光雄がいない

富士急の経営者であり国会議員の堀内光雄が通産大臣であった時の事、国会答弁用の資料が通産省の役人によって作られた。石油公団関係というのだから当時の資源エネルギー庁石油部開発課の手になるものだったのではないか。その資料に目を通した堀内は、内容に疑問を感じた。2世議員、タレント議員、そして松下政経塾辺りの議員などとは異なり、民間企業経営者の“生きた”知識と目を持っていたのである。堀内は石油公団の関連会社130社ほどの経理・財務データを自分で解析して、石油公団がずさん投融資に依り何と1兆3000億円にも上る不良債権を持っていることを突き止めたのである。そして文藝春秋に寄稿し、石油公団などという国家を害する組織をなくすべきだと主張したのである。その結果石油公団は廃止となった。

このような公団廃止を前通産大臣が求めたことなど日本ではなかったのではないか。堀内光雄という、役得ではなく、正義を求める稀有な政治家がいて初めて可能になったことなのである。政権トップが率先して”お友達”や”取り巻き”さらには“トップのために正義・公正をゆがめてでも尽したもの”を優遇するようでは、堀内光雄型政治家は現れないのではないか。

さて、石油公団の廃止後はどうなったか。石油公団が果たしていた”機能”は当時の金属鉱業事業団と石油公団を合わせたような石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に引き継がれた。つまり石油公団は廃止と言っても看板を替えて存続していると言ってよい。そして石油公団の数十人は国際石油開発帝石に流れ込んだのである。

堀内光雄は「通産省の恥部」と呼んだ石油公団を廃止に持って行ったのだが、その後の日本の石油政策を正しく進める理念・組織作りをしなかったのである。

そして、石油公団時代に勝るとも劣らぬJOGMECの内容を検証し、正す政治家は現れなかった。堀内光雄はプロの経営者として石油公団の経営面での不健全さを暴くことができたが、石油鉱業のあるべき姿を描き得なかったと言えよう。

台湾の閣僚に素人はいないとのことだが、日本の閣僚には素人しかなれないようだ。そんなことで国が発展できるわけがないのだが。東大法学部卒をはじめとする法学士辺りが集まったとして何が出来ようか。致命的欠陥である。まして…

 


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