天皇制そのものの検討を避けるべきではない

4月16日の産経新聞一面には「皇位継承 旧宮家復帰 有識者に聴取」なる記事が載る。日本全体がパンデミック(新型コロナウィルス禍)に襲われている緊急事態下にある時になぜ?との感を持つ。その記事にいわく、「政府が安定的な皇位継承作の検討に向けて実施している有識者への意見聴取で、戦後に皇籍を離脱した旧宮家の復帰に関する考えを尋ねていることが15日、分かった」

とあるのだが、疑問に思う。なんとなれば同紙一面には「皇位継承論議を振り返る 女系天皇上 小泉政権で加速 容認論 準備されていたシナリオ」という第三面に続く長大なる解説が同時に掲載されているからだ。政府と産経新聞が以前からこの日に発表することを前提に準備してきたと考えるほうが妥当だろう。

私自身は天皇制を維持するのも廃止するにも特に強い意見を持ち合わせていないのだが、天皇制そのものがなければ日本でないという意見には反対である。時代と共に王政が崩壊した国は沢山あるが、だからと言って国家が滅びたわけではない。元々建国時から王政とは縁もゆかりもない国もある。君主を戴くことと国家の存続発展とは関係がないのである。中国、ドイツ、ロシア、エチオピア、フランス、イラン(ペルシャ)、クェート、などなど王政崩壊を経験した国は多いばかりでなく、王政の国は時代と共に減少してきた。

日本国憲法が米国(占領軍)から押し付けられたものであることは論をまたない。その点から憲法を日本国民が自らの意思で定めるものに変えることには賛成である。しかし、戦力保持を否定しながら自衛隊を保有するとの矛盾を腹蔵した憲法など作るべきではない。日本国民が初めて作る憲法であれば、国の基本から確固たるものにすべく前提条件なしに検討し決定していくべきだと思う。その点で、新憲法で天皇制をどう取り扱うのかの検討を避けてはならないと思料する。しかるに明治政府のDNAを色濃く持ったかのような現政権は天皇制の維持、即ち皇位継承策には熱心だが、天皇制そのもの継続については検討をせずに自明としているようだ。そこに問題を感じないのだろうか。

さてもう一つだが、旧宮家の復帰について有識者の意見を聞くとのことだが、令和となった元号についても有識者会議に諮って決めたことになっている。しかし安倍首相が自らの好む元号案を追加してそれに決め(させ)たとの経緯は既に報じられている。有識者会議が実際には手続き正当化の手段と化している以上、そんなもので決めてよいものではないのではないか。形だけ民主的、実は権力者が恣意的に決める、では民主国家とは言えないだろう。少なくとも安倍政権のもとでの憲法改正はすべきではないと感じる。

天皇制を維持するならなおさらのこと、国民の総意でそれを選んだとの明確な事実を遺すべきだと思う。

 


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