園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(230)鉱区の印象(1)作られた有望性

パースに赴任する前に東京本社でこのプロジェクトの石油ポテンシャル評価をした担当者から地質の説明を受けた。第一印象は、「無理だな」というものだった。評価が高いからプロジェクト化するという感じではなくプロジェクト化するためにいろいろ考えたり理屈を作り出したというものに見えた。周囲の発見は全てガスというガス賦存エリア内なのにそこに油田成立の確率が高いとの説明は難しい、というより無理がある。石油公団がガスプロジェクトには投融資をせず、石油プロジェクトに限定する(これが日本のエネルギー政策)という方針を取っていた。探鉱部のオーストラリア地域を担当していたものが自分の担当域でプロジェクトを“作る”のが仕事と信じていたのが間違いの元だろう。

こういった考え方は石油資源開発の国内探鉱を基本的に、そして長期的に歪めてきた。経済産業省(石油公団)の投融資予算消化の観点からは毎年探鉱プロジェクトを「作ること」が目的化、義務化されていたのも同じパターンなのである。「陸際の他社の試掘性で油兆があったようだ」だけが頼りの石油ポテンシャル判断など極めて眉唾だが、探鉱部の仕事を「試掘候補を“作る”こと」として来た伝統は石油開発公団事業本部時代からの、そして経済産業省の石油政策の“盲目的”請負会社のDNAのようなものだったのである。経済産業省や石油公団が日本の石油鉱業の健全な発達を阻害したことはOGJという雑誌でも特集されていたはずだ。

故鯨岡常務が口癖のように言った「ゴンドワナはガスプローンだから」は本当だったのだが…

 


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