モーレツ人間こそ国の宝

新聞などに見る「同一労働同一賃金」という言葉を見るたびに『馬鹿者!』と感じる。労働とは自分の時間なり労力を“売る”ことだとの、化石のような経済観念の愚か者の言葉に聞こえる。ロボットで代替できるような作業では時間が成果の尺度となるが、例えば頭脳労働などの成果は掛けた時間の単純な反映ではない。とにかく「同一成果同一賃金」であるべきなのである。

産経新聞(48日)に「仕事考 検証働き方改革1年(下)』という記事があった。冒頭を引用する。

「平成289月、政府が設置した働き方改革実現推進室の開所式で、安倍晋三首相は『非正規という言葉を一掃し、長時間労働を自慢する社会を変えていく。『モーレツ社員』という考え方自体が否定される日本にしたい』と宣言した」

多様性が大切と、ことあるたびに云う口がここでは金太郎飴づくりに意欲を見せている。「働き方」などに政府が口を出すべきではない。それは働くものが自由に選択すべきものである。政府がすべきなのは『働かせ方』である。肉体的にも精神的にも無理な働かせ方をしてはいけないというものだ。いわゆる労働法の立法趣旨と同じであらねばならない。

そもそも『モーレツ』を否定などしたらクリエイティブな業績など生まれないだろう。時間制限などなく、時には寝食も忘れて働く才能があってこそ、ブレイクスルーと呼ばれる独創的なものが創出されるのだ。私的な話だが、私が大学生の頃、研究が面白くて堪らず、大学には午前6時半から夜910時までいた。週末も変わらずである。鉱物の化学分析の時になど、教授は実験室の一つを私専用にして応援してくれた。X線回折分析器の優先使用も認めてくれた。毎日8時間などといった制限があったら、新たな発見を伴う業績など上げられないだろう。

先の首相発言などルーティン作業か、もしくはろくに働いたことのない人間の発言に思える。サハリンの油田開発では、寝ても覚めても物理探査データをハンドリングし、プルダウンの復元や、リングオイルの分布解析に取り組んだ。潰れかけたオマーンのプロジェクトでは期限に間に合うように毎日夜遅くまで会社に残って同じく物理探鉱データの解析をした。一日8時間労働などとしたら、潰れていたと断言できる。そのように極限まで取り組み、のめりこんでその先にひらめきが来るというのが経験上「発見への道」のように思う。

日本を滅びの道に進めるが如き安倍晋三の働き方論を目にするたびに、この国に将来はないだろうと感じてしまう。労働対価を目的にした労働モチベーションでは新しいドアは開けられないと思う。理解するだけの素地のない人に言っても詮無き事ではあるが…

 


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