終身独裁化を危惧する

322日の産経新聞の主張(社説)欄は「露大統領の任期 『終身独裁化』を危惧する」と言う題であった。旧ソ連をはじめとする共産国・社会主義国では政権トップが生涯権力の座から降りないことの方が普通だった。権力を手放した瞬間今度は粛清の対象になることが分かっていたからだと言われる。

東西ドイツを隔てていた壁が打ち壊され、ソ連が崩壊しと雪崩を打つように共産国・社会主義国は崩壊し、民主国家に変貌した。リビアのような独裁国も「アラブの春」運動により大変化を遂げた。しかし時移り、今また独裁、それも終身独裁の動きが強まっている。振り子が反対向きに動き始めたようなのである。

上記「主張」は主にロシアにおけるプーチン大統領の終身独裁化と中国の習近平国家主席の終身独裁化を取り上げている。少し記事を引用してみよう。明快な説明が良い。

「 プーチン氏は過去に再三、大統領任期を「連続2期まで」と定めた憲法を順守すると述べてきたが、前言を見事に翻した。10日の演説でプーチン氏は、将来的には政権交代が保証されるべきだが、激動の時代には「安定」の方が重要だと任期帳消しを正当化した。詭弁(きべん)である。現任期を終えれば、プーチン氏の治世は首相期も含めて四半世紀近くになる。それでも飽き足らないのか。激動の時代にも対処できる指導者候補や政治システムをつくることこそが、本来の指導者の責務であろう。」

「懸念されるのは、プーチン政権が力で国民の不満を押さえ込み、強硬な対外政策で人々の目を国内問題からそらす手法を強めることだ」

そして中国の習近平国家主席については、

「類似する国家体質の中国では、くしくも2年前の3月に国家主席の任期制限を撤廃する改憲が行われた。折しも中国・武漢発の新型コロナウイルスをめぐり、独裁体制に起因する情報隠蔽(いんぺい)や初動の遅れが批判されている」

とある。

これらを見るに、自民党の党則を変更して最長2期を3期にして長期政権を実現し、「安倍一強」と言う「安倍独裁」と同義の言葉で呼ばれている状態が頭に浮かばないだろうか。さらに替われるものがいないからと、さらに党則を変えての安倍4選もありと言われる状態だ。もっと走りたいからとゴールを動かすがごとき様は醜い。自分の都合、欲望でルールを変えるとは…。産経新聞の主張にあるごとく、「激動の時代にも対処できる指導者候補や政治システムをつくることこそが、本来の指導者の責務であろう」に見える指導者の責務を全くなさなかったことが明白である。

はて、この産経新聞の主張は、プーチン、、習近平を例としながら本心では安倍晋三首相に忠告していたのかもしれない。

かつてヨーロッパに独裁の王がいたそうな。何故と聞かれ「朕が治めてやらねば民が不幸になる」と言ったことを言ったとか。独裁者は常にこのような屁理屈をこねるものである。

 


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