指揮官としてあるまじきあいまいな指示

非常時における指示は明確をもって旨とする。ところが安倍晋三首相の国民への要請というものが頗る曖昧なのだ。要請された国民が対応に困るような指示など出さぬほうが良い。集団を率いる指揮官としての訓練を全く受けたことがない、いわば指揮の素人のようだ。これが戦争であれば死傷者の山になってしまうだろう。

2月26日と言う奇しくも2.26事件の日、安倍首相は、「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は中止、延期、または規模縮小等の対応を要請することといたします」と述べた。ところがその要請の元になったのは、新型コロナウイルス感染症対策本部の会議での安倍首相の発言、「この12週間が感染拡大防止に極めて重要だ」と言うものである。「この1,2週間」と幅を持つあいまいな期間が重要だとしながら「2週間」の自粛を求めるところが聞くものに不安を与える。「多数の方が」も多数の判断を示さず、要請されたものが考えることになる。それだけではなく、「イベントの自粛を求める法的根拠は「ない」」と菅官房長官が言うのだから「根拠なき要請」と不安感がますます強くなる。はてはその実行に関して、「あくまでイベントの主催者に判断してもらう」と責任回避の言葉さえ口にするのである。危機管理の指示者、責任者としては最低ではないか。

そして小中高の休校については、専門家の意見も聞かない、理由も定かでない安倍首相の個人的判断での要請だった。しかもそれを「政治決断」と呼んで胸を張ったのである。にもかかわらず、その休校措置の停止に関しての質問には専門家の意見を聞いてという支離滅裂ぶりだ。何かが起きた時の責任回避を意図したのだろう。

国家のリーダーとしての資質に欠けると言わざるを得ない。私だけがそう感じるのではない。3月11日の産経新聞の「正論」欄に京都大学大学院教授の藤井聡の「「過剰自粛」による大恐慌避けよ」なる論説が載るが、その中で氏は、「一方で政府は、「安倍要請」のように一切の基準も示さずにただ曖昧にイベント中止を要請するような愚挙は回避せねばならない。さもなければ、今日のようなヒステリックな過剰自粛が必ず誘発されるからだ。例えば東京都のように「目安」としての基準を示した上で、過剰自粛を誘発せず、理性的な是々非々の判断を促す種類のメッセージを発せねばならない。」と強調している。安倍政権の内部の人のような藤井教授にまで「愚挙」と指摘されているのである。

何という体たらくか!

 


コメント
コメントする








   

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

にほんブログ村

selected entries

archives

recent comment

  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(88)人事考課を書き換えさせた石油資源開発人事部
    名無し (10/15)
  • 国際石油開発帝石(インペックス)は経営行き詰まりなのか?それを暗示する現象(2)
    名無し (08/20)
  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(132)ホテル代の踏み倒し
    No use (07/25)
  • 論理の誤り―纏向遺跡と桃の実の年代
    No use (07/24)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    No use (07/24)
  • 『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』を電子出版化した
    ふひと (07/11)
  • 国際石油開発帝石のイクシスプロジェクトは「大失敗」?!
    高松 和弘 (06/27)
  • 起きる確率の高い南海トラフ地震の被害額が1,400兆円以上と言うなら
    toshi (06/14)
  • 決裁文書の事後改竄は単なる文書管理の問題ではない
    giinnokoe (06/01)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    名無し (05/28)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM