今度も素晴らしい東京特派員、でも湯浅博らしくない面も

湯浅博の東京特派員(産経新聞114日)だが、今回も素晴らしい。「物を書く」という講座のテキストに使うのが良いだろう。社員(記者)教育にぴったりだと感じる。

今回の話は鉄道における所謂「デッドゾーン」に関する話だ。話はつくばエクスプレスの路線図を見せられ、電気の消える場所があることをマニアから告げられ、思わず「ん?まさか」と答えたところから始まる。

「このリアクションがいけなかった。鉄ちゃんの得意げな顔はご想像の通りだ。したり顔で「それはですね」と理由を得々と語り始めたのである」

「どや、わしゃぁ 偉いんやでぇ」との低級関西弁にオリジンがあると睨んでいる「どや顔」なる言葉を使わずに、「したり顔」と上品な表現であるところが良い。読んでいて、いやな感じを受けない嬉しい、優しい表現なのである。

話は鉄ちゃんの、つくばエクスプレスが直流で走っているが、それは守谷まででそこからは交流で走る、との説明に移る。そこで湯浅氏が引きずり込まれるように、

「へー、なぜ?」

と質問する。その時の表現が秀逸だ。

「これで鉄道マニアの掌に入ってしまった」

である。そしてそれからは何故「守谷―みらい平」が交流でなければならないかの説明に入る。

この話の流れ、展開の仕方、そして表現の上手さと上品さが素晴らしい。

しかし今回の文章にかすかに引っかかるものを感じた。それは、湯浅博がデッドゾーンの事等熟知していたのに、それを取り上げるためにこのストーリーを作ったのではないかとの疑問である。いや、疑問のレベルではなく、これは脚本に基づきながら演出を加えたドラマのようなものであろうと推察するのである。

何故なら博識の湯浅博がこのようなことにそんなに驚いたりするわけがないと思うからである。

私個人は、作り話よりは、実体験、初体験、初耳などの感動を伴う文章が好みである。次回を楽しみにしている。

 

 


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