【特別稿】カブース大王を悼む

英名君主の誉れ高きオマーンのカブース大王の死去の報をインターネットのニュースで得た。心より哀悼の意を表する。

カブース大王との面識などない。しかし私が39歳から45歳に至る6年間、すなわち1987年から1993年までの間、私はオマーンのマスカットの西方約450キロのワジ・アスワド鉱区の石油の探鉱開発に従事したのだが、当時のオマーン国王がスルタン・カブース・ビン・サイードであったのである。

カブース大王の事績などは新聞等で説明されるだろうから、私が感じたオマーンについて少し書きたい。

オマーンは他のアラブ諸国とはある意味異質である。アラブといえば、アラビアのロレンスの物語などから砂漠の遊牧民と思うのだが、オマーンは海洋国家であった珍しい国なのである。「船乗りシンドバット」はオマーン北部のソファールの人だと言われるし、バスコ・ダ・ガマの喜望峰“発見”もそこに案内したのはオマーン人のパイロット(水先案内人)だった。つまりオマーンは古来インド洋を支配した海洋帝国だったのである。そのインド洋支配は東インド会社を設立して進出し、インド洋の制海権を狙った英国との競争に敗れるまで続いていた。そしてアフリカにもユーラシア大陸側にも植民地を持つ、大海洋国家だったのである。そういう国家の成り立ちを反映してオマーンの人々は開放的で、ビジネスライクな性格を持つようだ。石油開発で色々な国を体験したが、オマーンは我々と考え方が似ているというか、とても過ごしやすく、仕事もしやすいところだった。中東ならどこが、と聞かれれば迷わず「オマーン」と答える。

私がオマーンで仕事をしていたころ、オマーン政府から様々な便宜を受けた。そのような親身になって対応してくれる外国政府の存在を他には知らない。カブース大王の冥福をお祈りする。そしてオマーンの更なる発展を願う。

うろ覚えだが次の言葉を記しておきたい。(間違っていたらご容赦を)

「アナ アホップ オマーン、 アナ アホップ オマニ」

 


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