企業トップの後継戦略、変わり始めたと言うが

産経新聞(1214日)に目を引き付ける記事があった。大阪経済部編集委員の粂博之による「企業トップのバトン 後継戦略 日本が変わり始めた」を読んで本当にそうかな、と疑問を持った。解説の冒頭部分をまず見てみよう。

「日本企業のトップ人事は、年功序列に幾分かの実力主義を配合し、時間をかけて候補を絞り込むのが典型だ。何人かの候補が競い合い、最終的にトップが後継指名をする。しかし、似たような育ち方をした候補者からの選抜を続けていては、変化の激しいグローバル市場で勝ち残れないとの指摘がある。実際、国際的な企業を渡り歩く「プロ経営者」を起用する企業も出てきており、その手腕を生かした大規模なM&A(企業の合併・買収)や大胆なリストラで成功した例は少なくない。半面、企業文化の衝突や不祥事などで挫折するケースもあり悩ましいところだ」

私は石油資源開発という形式的には民間会社に勤務した。しかしそこは完全な経済産業省の天下り会社であった。昭和30年の特殊法人としての設立以来、社長は全て通産省(経産相)からの天下りである。東証一部に株式上場後もそれに変化などない。石油開発に知識も経験もないものが天下って社長となるのである。天下りが社長にならぬ純粋な民間企業でも副社長や取締役としていかにに多くの天下りが”巣くって“いることか。上記の「年功序列に幾分かの実力主義を配合し、時間をかけて候補を絞り込むのが典型だ。何人かの候補が競い合い、最終的にトップが後継指名をする」などは天下り会社には全く縁のないものである。後継社長は経産省が選び、押し付けてくる。だからグローバルには勝ち残れないのは当然の結果だ。(勝ち残ったふりはできるが)

その経済産業省の考え方について触れた部分が本文中にあった。

「経済産業省の有識者会議(座長、守島基博・学習院大教授)がまとめた経営リーダー育成のガイドラインは、多くのグローバル企業では経営幹部が後継人材の育成に深く関与し「経営のプロフェッショナルを丁寧に作り込んでいく仕組み」があると指摘。日本企業は出遅れているとし、競争力を維持するためにも海外に学べと催促する」

予算を獲得してきて、後は使うだけという役人に経営のプロたる能力がないのは自明だろう。経済産業省はなんとも言行不一致のところか。「隗より始めよ」なんて言う言葉は、東大(法学部?)に入ると、いや経産省に入ると忘れるものなのかもしれない。

 


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