男系の女系のというけれど、もっと基本の万世一系に疑点なきや?

皇室の構成員が減少してきたためだろう、男系でなくてもいいんではないかとの意見が聞かれるようになった。なぜ男系でなければならないかと言えば、生物学的に男系でなければY染色体が継承されて行かないというのが理由だろう。政治家でも甘利、二階などは「女系でも…」と言い、男系を主張するものはそのほとんどが今までそうだったというのを理由に挙げる。

皇学館大の新田均は(産経新聞、122日)「古代人は父系によって「祭り主の血筋」が伝わると考えた」と記紀のわずかな例を挙げて言い切るが、記紀にはない「卑弥呼」の件には触れない。逆にそこに触れたくないからこそ記紀に卑弥呼に関する記述を含めなかったのだろうに。つまりあまり説得力がない。

はては明治天皇の血を引くという竹田恒泰なる人が『天皇は『元首』である』という本を出版した。『天皇は血統の原理』とし、男系の天皇が途絶えたらもはや天皇ではない、と主張しているとのこと(産経新聞1130日「産経の本」欄)。学者が言うのは良いとして、明治天皇の玄孫であれば、ある種の関係者なのだから、その天皇の家系にある人だからこそ、天皇制に関する発言をすべきではないのではないか。それが常識ではないかと思うのだが、たかが本の紹介であるのに、その内容だけではなくわざわざ「明治天皇の玄孫」と書くところにその特別扱いが見えるようで、美しく見えない。

しかし、男系の女系のというけれど、その前にある一系の天皇という前提を確認したのだろうか。神武以降の4代の天皇は不存在とも言われている。壇ノ浦の戦いで安徳天皇を道連れに入水した二位の局が重し代わりに三種の神器の一つの剣を使ったがためになくなってしまい、その剣なしに即位したとして後鳥羽上皇は生涯そのことを負い目にしていたという。それほど大切で、同床同殿の詔勅さえある剣と鏡を宮中から追い出した崇神天皇が異なる王朝だと考えない方が変であるし、継体天皇の系譜自体が記紀にも記述がないのに男系が継承されているとすることにも問題があろう。

「万世一系ということにした」というのと「万世一系である」とは別の話である。『愚管抄』に見える慈円のさめたというか、冷静な考え方を参照したほうが良いのではないか。特に皇室に関しては政治的にも経済的にも利用するものが現れるのは歴史が示している。意見を言うものの魂胆をも考えて意見を聞かなければならない。危ない、危ない!

 


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