園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(216)オーストラリアへの赴任準備

直行するというオーストラリアのプロジェクトだが、会社名はJAPEX AC、現地事務所は西オーストラリアのパースに置くことになっていた。対象国はオーストラリアの北岸行き、ブラウズベースンという北部準州の沖合である。水深は深く500メートル以上もあった。

新しいプロジェクトの内容を知らずに赴任するわけにはいかないので、東京本社にしばらく滞在し、プロジェクトメイキングをした竹花から説明を受けた。私は常々「きれいな図面より正しい図」と言っていたのだが、説明用の図面はいずれもカラー刷りで「きれいすぎるな」と感じたものだった。当時は素人の天下り経営者にプロジェクト化を認めさせるためにいわば”厚化粧”の説明資料が作成されていたのである。

更に沖合では大きなガス集積がすでに発見されていたこともあり、ブラウズベースンはガスだというのが常識だった。それはインペックスにイクシスのある鉱区も同じだった。石油資源開発もインペックスも対象鉱区内には石油が期待できると、いわばこじつけて石油公団の投融資を受けたのである。

AC鉱区のずっと陸域側の浅海域に掘った坑井で油兆が認められたとの報告を(無理やり)根拠に石油の埋蔵が期待できるとしたのである。勿論地科学的解析も行われていて、石油の生成があり、鉱区内に移動してきているとの”本当らしい”「絵」も提示された。しかし、正直ベースの話、この解析というのはあってほしい結論をパラメーターを色々変えれば得られるという”極便利な”ツールであったために、内心賛同できるものではなかった。しかし、既にプロジェクトは社内決裁を受け、石油公団の投融資を受けてプロジェクト会社の設立も終わっていたのだから、プロジェクトの根幹を否定するわけにはいかなかった。

 


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

にほんブログ村

selected entries

archives

recent comment

  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(88)人事考課を書き換えさせた石油資源開発人事部
    名無し (10/15)
  • 国際石油開発帝石(インペックス)は経営行き詰まりなのか?それを暗示する現象(2)
    名無し (08/20)
  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(132)ホテル代の踏み倒し
    No use (07/25)
  • 論理の誤り―纏向遺跡と桃の実の年代
    No use (07/24)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    No use (07/24)
  • 『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』を電子出版化した
    ふひと (07/11)
  • 国際石油開発帝石のイクシスプロジェクトは「大失敗」?!
    高松 和弘 (06/27)
  • 起きる確率の高い南海トラフ地震の被害額が1,400兆円以上と言うなら
    toshi (06/14)
  • 決裁文書の事後改竄は単なる文書管理の問題ではない
    giinnokoe (06/01)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    名無し (05/28)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM