佐藤優の裏舞台

産経新聞にある佐藤優のコラムの名前は「世界裏舞台」という。しかし、「世界」に関係したものなど初期にネタ切れとなったのか、毎回国内、それも身近ネタばかりになってきた。さらに言えば、親友の死や、今回のように自ら収入を得ている私立高校を取り扱うことが何やら「利」に繋がっているようで読んでいて「おやっ?」と感じさせることが多いのである。例えば今回(1020日)の「『高大接続』の深刻な問題」では、「もっとも名桜大学(山里勝己学長)の場合」と記述しているけれど、なぜこの学校の場合だけ「学長名」が不要なのに書かれているのか、わざわざ書き込むところに、『頼まれたか』『恩を売ったか』などの意図詮索の余地がありそうだ。もともと鈴木宗男の同志のような人なのだからと別の視点で見れば分かりやすい時もあるのかもしれない。

佐藤優は、

「中長期に日本の社会と国家を強化するのに重要なのが教育だ。そういう思いが募ってきたので、平成28年から同志社大学神学部、29年から沖縄県名護市の公立名桜大学、30年からは同志社大学生命医科学部と埼玉県立浦和高校で教壇に立つようになった」

と冒頭に動機を書いている。国家を強化するのに重要な教育を理解したいのなら、同志社大学の神学部などという極めて特殊な、およそ国家に役立ちそうもないものを選んだりはしないだろうに。“下手”な後付けの理由に見えてしまう。内容も分析力の不足を思わせる。例えば偏差値教育についてだが、

「偏差値教育がもたらす疲れだ。偏差値には加熱と冷却の機能がある。教師も保護者も「少しでも偏差値の高い難関校に入れ」と子供の勉強熱を上げる。入試が近づくと、進路指導の教師が「君の成績だとこのレベルの学校が限界だ」と子供の気持ちを冷却させる。中学入試、高校入試、大学入試と加熱と冷却を繰り返すうちにほとんどの生徒と学生が勉強嫌いになってしまう」

と書いている。間違いだろう。

偏差値というのは正規分布の中央(最頻値)からの偏差を示しているものだろう。集団内での能力的位置を客観的に知るための指標である。だから、偏差値に善悪などもとより存在しない。「少しでも上の学校に入れ」「この成績ではこのレベルが限界だ」などという進路指導は偏差値が使われる以前も同様に存在した。加熱も冷却も偏差値とは全く関係のないことであるのに、偏差値に絡めて評論するのは落第分析官の特徴であろう。

失礼を顧みずに言えば、自らが体験した偏差値による進路選択と実際に同志社大学に入学した経緯を例に挙げたほうが良いのではないか。

また、能力不足の大学入学生のことに関して、

「入学を認めた以上、高校レベルの学力欠損を埋めるのは大学の責任だが、大学関係者の当事者意識が薄い。もっとも名桜大学(山里勝己学長)の場合、新入生の英語と数学の学力チェックを行い、知識の欠損がある場合にはチューターをつけて埋める体制が整っている」

などと書いているがこれも問題である。もともと高校レベルの学力欠損をしたものを大学に受け入れるのが間違いである。それを受け入れておいてその欠損を埋めるのは大学の責任だと主張するのだから、まずまともな判断ではない。そんなことをしている例として挙げるのが沖縄の名桜大学だそうだ。つまり、(入学金と授業料を得、一定の学生数を得るために)学力欠損のものを入学させているのが名桜大学だと言っているようなものなのである。

更に奇妙なことが書いてある。

「高校の早い段階で文科系、理科系に分かれてしまっているため、大学教育についていくために不可欠な基礎知識が欠けていることだ。文科系の学生は数学が弱く、理科系の学生は歴史と国語が弱い」

以前から指摘しているが、本来は理科系も文科系も並立しているわけではなく、全体を理解しているのが当然なのである。その中で理科と数学についての能力が劣るものを文科系という”美名”で扱う受け皿を作ったのではないか?何故なら私の周囲の理科系のものは国語や日本史などに弱いものなどあまりいなかった。東大理学部の先輩の一人はインドネシアの面を収集したり、古事記の写本などを集めていた。又ゲーテに造詣の深い人もいた。私も理学部出身でずっと技術屋でいたが、会社を早期退職して日本の歴史研究と執筆をしている。理科系が国語に弱いなど、知りもしないものの戯言であろう。または佐藤優レベルの集団の特徴なのかもしれない。安易な一般化などしないほうが良いだろう。

とにかく佐藤優の視座の低さは特徴的である。どれどれ、と思う人は以下で記事全体を読んでみればよいだろう。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/【世界裏舞台】作家・佐藤優-「高大接続」の深刻な問題/ar-AAJ3wy3#page=2

 


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