産経新聞の主張執筆者にも“未熟な”ものがいるようだ

ゲノム編集技術を使って作った食物に関してその確認方法がまだないから、ゲノム編集をしたものであるか否かを表記する義務はないと定めた政府方針に関して、産経新聞は104日の「主張」(社説)においてその方針を支持する記事を載せている。内容を読むと書き手が科学的な思考力を持ち合わさぬ輩であることが分かる。

「ゲノム編集が歴史の浅い技術であるために、多くの人が漠然とした不安を抱く。「予期せぬ変異のリスクがゼロでない」「自然界の変異と同じとは思えない」と不安視する声もある。決して間違いではない」

と書く。その通りだ。しかし続く、

「ただし、この主張や考えが不特定多数に向けて発信されたとき、ゲノム編集・遺伝子変異・リスクという断片的な言葉から、食品に施した遺伝子変異が直接、人体に及ぶかのような不安が抱かれないか。また自然のままに育った動植物が安全で、人為的操作が加わった食品は危険であると思い込みはしないか」

は問題だ。そう言うなら産経新聞のこの主張を読んで「ゲノム編集は安全だ」と漠然と感じる人を作り出すリスクは考えないのか?

もっと馬鹿げたことも書いてある。

「牛肉をいくら食べても人は牛にはならない。食材のゲノムが人体に及ぶような不安は消し去るべきだ。トラフグの肝や毒キノコは自然のままに育っても有害だ」

牛肉を食べても人は牛にならないことは、人類何千年以上の歴史の中で経験上得られたものだ。いわば人類の壮大な実験結果である。ゲノム編集はその長期間をかけた実験が行われていないものである。だから「不安」があるのだ。その違いに気づかぬ程度のものが「主張」を書いているとは驚いたし、その論理の奇異さを指摘する”優れた校閲”は産経新聞には不存在のようだ。

序ながら「トラフグの肝は自然のまま育っても有害だ」は間違いである。自然のトラフグの卵巣にも毒を持たないものがある。その研究からはおそらくトラフグが食べたものに依存しているらしい。それが証拠に、えさを与えて育てたトラフグには毒がないとのことである。科学に詳しい論説委員に聞いてみたらいかがか。社説は新聞の顔だ。相応しい人材にこそ書かせるべきだと思う。

 


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