関西電力だけが悪事を働いたのか?

原発に絡む悪事だが、立地市町村への働きかけ、用地取得、漁業補償など原発建設には膨大な作業があり、地元対策には直接なものも、政治家を使ってのものもあるだろう。原子力発電に傾いた日本政府関係にも、裏に利建(金銭的)メリットがあったことは想像に難くない。そうでなければ、歴代総理大臣に関西電力が多額の献金をしていたこと自体が意味のない行動になる。

その働きかけの中で、違法なこと、違法に近いことが行われていたのだろう。高浜町の元助役が、「証拠を握っている」と関西電力を脅したのは、わいろを受け取らせる場合だけではなく、新規の工事などの計画を他に先駆けて知るにも、息のかかった業者に落札させるためにも、闇金捻出用の高額発注のためにも使われた手段とみてよい。

あれだけの資金が還流する場合は、ほぼ間違いなく関西電力側が積算価格を超過大にして発注価格に還流金額を含ませたと考えるべきである。即ちいわゆる“官製談合”を繰り返していたのだろう。

既に関与した業者から稲田朋美への献金が明らかになってきた。福井県の職員にも金品が送られていたとも聞く。ほどなく関西電力の意を受けて行動した政治家の名前も浮上してくるだろう。原子力はクリーンエネルギーではなくとてつもない「ダーティエネルギー」なのである。

それにしても関西電力の監査役会(社外監査役も参加)で昨年秋に報告されていたが、監査役会は「審議もせず、公表見送り」としたのだそうだ(産経新聞、104日)。監査役会メンバーに、「目をつむれ、見逃せ」と指示したか、少なくとも根回ししたものがいるはずだ。そうでなく自らの判断で監査役会で異議を唱えなかったのなら、監査役の資格などもとよりない人間であろう。

企業が監査役を自社出身者で固めるのはよくあることだが、それでも社外監査役を加えるのが普通だ。しかしその場合も社外監査役が経営者の友人だったり、監督官庁から送り込まれた人間であることが多い。悪く言えば“八百長システム”になっている。

関西電力の社外監査役には十市勉と言うエネ研関係者がいる。エネ研自体がもともとは通産省の支配研究所で現在も理事などはほとんどが経済産業省天下りである。そういう人を監査役になどすべきではないと思うのだが、関西電力や経済産業省は『そういう人こそふさわしい』と考えるのだろう。いずれにせよ、監査役会メンバーは今回の悪事に関して金銭授受当人たちと同罪である。今までの報酬を返却して辞職することぐらいは最低限すべきではないか。金をもらって黙っていたなら刑事罰が必要だ。

時に、原発建設にかかわる状況は各電力会社共通のものである。他電力会社に同様の悪事があると思う方が普通だろう。関西電力だけの問題であれば、京都大学系の役員、関西出身者で固めたような会社組織そのものにも問題があるのかもしれない。ある種の”民族性”の反映かもしれないのである。これに関連して注意すべき報道があった。関西電力以外の大手電力会社が自主的に社内調査をしたという。その結果が興味深い。

「儀礼の範囲を超えるような不適切な事案はいずれも確認されなかったことが4日、分かった」(産経新聞、105日)

儀礼の範囲の設定の仕方で適切にも不適切にもできる何ともずるい表現であることか。それだけで意味のないおざなり調査だと分かる。さらに注意すべきは「不適切な事案がなかった」とは言わず「確認されなかった」と誤魔化しているのである。今後表面化することを予期しての表現なのだろう。この表現からは、大手電力会社は押しなべて不適切なことをしている可能性が高いと思われる。

一時保管している金品というにもかかわらず、一着50万円のスーツはほとんど返還されずに仕立てられている。返却したかったという説明が嘘であることは明白である。極端に素晴らしいスーツを着ているものは、賄賂をもらっていると疑われることになる。

更に受け取っていた金品の額も把握されてはいないようだし、返却したと主張するものも国税の調査で悪事がばれた後のことだという。どこまでも腐った連中だ。

昨日には、関西電力が入札などせずに特定の業者に指名随意契約をしていたことも報じられた。競争すらない世界で決める電気料金に、多額のいかがわしい金がのせられていたのである。

とにかく関西電力など廃炉ならぬ廃社にすべきではないか。日産と言い、日本企業の劣悪な経営が際立っている。

 


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