『太安万侶の暗号〜日輪きらめく神代王朝物語〜』を電子出版した

『太安万侶の暗号〜日輪きらめく神代王朝物語〜』は『古事記』の神代の巻を”神話”ではなくその基層に歴史的事実があることを発見し、すなわち『古事記』は『イリアス』のような性格を持つと考え、『太安万侶の暗号シリーズ』8作品のうち最初に書き上げ、郁朋社から紙出版したものである。それを今回電子化し(株)麁鹿火から出版した。電子出版物は書店で手にとってぱらぱらとめくりながら内容を確認するという作業ができない。そこでアマゾンに載せた紹介文を以下に示しておくことにする。『古事記」が単なる物語ではないことが理解できるはずであり、その「神代の巻」は『魏書』における『序記』に相当するものだということも分かると思う。ぜひ読んでみてほしい。

【短文紹介】

シュリーマンがトロイの遺跡を発見したのはホメロスの叙事詩『イリアス』を単なる詩ではなく実際にあった歴史をベースに作ったものとしたからこそのものであった。『古事記』に事実に基づいた歴史が反映されているとの考えのもとに解読し、小説型にまとめたものが本書である。

【長文紹介】

私の古事記との出会いは昭和四十二年にまで遡る。勿論因幡の白兎に代表される「お話」は子供のころから見聞きしてはいたが、自ら『古事記』そのものに目を向けたのは大学生だった私が、静岡市の谷島屋書店で岩波文庫の『古事記』をふと手に取ったのが最初である。岩波文庫の書棚を見ているうちに何故か『古事記』が目について離れなかったのを覚えている。その『古事記』はぼろぼろになってはいるが今も私の机の上にある。

 日本の古代は伝統的に外国、特に『魏志倭人伝』をベースに議論されてきた。しかし、マルコポーロの『東方見聞録』の中の「日本ではすべてが金で出来ている」などという記述が正しいと思う人はいないだろう。魏志倭人伝の元となった情報も古代日本の全体を見た者がもたらした筈はない。女王卑弥呼もある地域の王であったと見るほうが正しいだろう。盲人が象の一部分に触れて象と言うものを語るお話の教訓を忘れてはならないし、また後世の伊達政宗がローマに派遣した使節に持たせた親書には自らを東日本の王と記しているというようなことにも注意が必要である。

 古代日本について、日本で書かれ、現存するものは『古事記』と『日本書紀』である。それ以前の古書は現存しない。六百九十一年(持統天皇五年)、大三輪氏、雀部氏、石上氏など十八氏に祖先の墓記を上進させているがそれらは今に伝わっていない。つまり消し去られたと思われる。そして秘密裏に伝えられたとされる『秀真伝え』などには東北にあった日高見の国が記述されているようだ。『古事記』と『日本書紀』は何故か同時並行的に作成された。中国風の正史としての『日本書紀』をつくりながら敢えて作った『古事記』、古い文体などが残る古事記に何か特別な役割があったと考えるのが自然であろう。これらの成立や関係については『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』で解明し、説明しているので参照されたい。

 何度か読んでいる内に、『古事記』の中に通説とは異なる解釈を見出してしまったのが『古事記』の謎解きにはまり込んだきっかけである。以来、読書百遍ではないが飽きるほどその本文を音読し、仕事の合間に神社を訪ね、各所を歩いた。山之辺の道、熊野三山、出雲、九州の高千穂、三島、出羽三山、坪の石文の野辺地などを訪ね、そして富士山にも鳥海山にも登った。

 私は石油開発、それも石油を探す仕事に長年従事してきた。限られた情報や何気ない兆候から石油のある場所を探していくのは謎解きに似ている。そこで培われた感性が『古事記』に隠された古代の大王たちの生き様や、日本の国の成り立ちを解読するのに役立った。

 最初の発見は、アマテラスは個人名ではなく役職名だ、ということであった。個人名だとするから時間的に解釈が難しくなったりするのであって、役職名ならそれに相当する個人が複数いる事になる。同様に、オオクニヌシ、大穴持なども役職名だと分かった。

 次は、イザナギ、イザナミが生んだ国には本州の大部分が含まれていないことが気になった。そして、それが子の類に入れなかった「淡島」として区分されていることに気がついた。つまり、『古事記』、特に神代の巻は日本全体というより近畿地方以西に対して高天原政権がどう対応してきたかの歴史に焦点が当てられていることに気づいた。

 さらに、黄泉の国から逃げ帰るイザナギの話が実話ではないかとそのルートを探していたとき、従来おとぎ話だとか、中国のおまじないだとか言われていた、「蒲生」や「桃観」が岩美から逃げる途中の山陰街道上の実在の峠の名前であることを発見した。黄泉の国との境の伊賦夜坂が同じく実在の「八井谷峠」と比定できることも分かった。この発見のときの興奮は石油を発見したときに勝るとも劣らぬものだった。思わず「分かったぁー」と叫んだのを覚えている。

 このように『古事記』が一見神話のように見せかけながら実は表向き明らかにすることがはばかられた歴史を書いていることが分かってきた。シュリーマンがトロイの遺跡を発見する元となった叙事詩『イリアス』と同じようなものだと分かった。『古事記』には編者である太安万侶のいわば「安万侶コード」とも言うべき暗号が隠されていたのである。その鍵は「音読」にあった。何と本文には小さく「上、去」など四声を表す文字が記されている。また、多くの歌などが音読用に漢字の音で書かれているのも、「漢字の意味などに引きずられずに読み取れ」と言っているように思える。元々は恐らく「口伝」が付いていたのではないだろうかと考えられる。

 『古事記』の謎解きに熱中する私に、会社の先輩、正谷清氏は江戸時代の国学者の朱の入った、既に虫食いで穴だらけになった「古事記神代の巻」の写本を手渡すと、「この写本は君が持っているほうが本にとって幸せだ」と言った。

 思えば最初に『古事記』を手にしてから紙出版時までに、既に三十年以上の年月が経過した。今まで解読してきた本当の古代日本(神代)の物語をこの一冊にまとめてみた。それを今電子出版したのである。時代はイザナギ、イザナミより神武東征と言われる戦を経てニギハヤヒが国内の再統一をするまで、すなわち「神代の巻」に相当する部分である。太安万侶が秘密裏に伝えたかったのはこういう物語だったのだろうと、解読結果を小説型にまとめたのが本書である。純粋なフィクションではないのでストーリーを自由に膨らませることが出来ないという限界はあるが、事実は小説より奇なりという言葉通り十分ドラマティックな物語だと思う。イザナギ、イザナミの国産み、黄泉の国とは何か、有耶無耶の関、高見の制度、出産の模様、安の川でのウケヒの実態、出雲の離反、伊賦夜峠とは、対出雲戦争、国譲りとは、山幸の沖縄訪問、ニギハヤヒの降臨、富士噴火の山鎮めと佐久夜姫、猿田彦の仮面、神武東征の実態など従来の古事記物語と読み比べていただきたい。単なる神話ではない古代日本の全体の歴史が見えてくると思う。編纂当時の権力者は自身の家系が高天原の、つまり日高見の国から正当に王権を受け継いだことを主張、説得するために『古事記』を編纂したようである。しかし、太安万侶はそういう細工をする一方で真実を神代の物語にあぶり絵のように組み込んだのだろう。

 日本と言う国の成立の過程を皆さんに、私と一緒にたどり、味わっていただければ幸甚である。

なお、日高見の国に相当する高天原を天上の世界のように設定したのは『古事記』の編纂者の発案であり、操作であろう。日本の中に本来の高天原が別個の国として実在したのでは困るという事情のなせる業であろう。歴史を改竄した部分の指摘や、その復元については『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』及び、『萬葉伝授』シリーズ8巻、そして『北魏再興国家としての日本(漢家本朝)』を読んでいただきたい。文学屋の目ではなく理科系の目と頭で、そして「科学」の目で解読するとどうなるかがお分かりいただけると思う。なお小説型を好む方には『太安万侶の暗号シリーズ』8作品の読破を勧める。

『古事記』が神話などではないということが分かり、神代の世界が現実の世界として眼前に広がるであろう。

 


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