園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(204)海上地震探査のTender Document作成

まず、サボ鉱区全体に海上地震探査を行う計画だった。その入札を行うためのTender Documentの作成にかかった。ジャペックスサボの物探担当は村山隆平だった。彼は石油資源開発株式会社の物探部にある近年(?)の入札資料を調べたうえで、テンダーにおける技術スペックを作成し、持参していた。

然しそれを専門家にチェックしてもらおうとのことになり、Hydrosearchというコンサルタント会社と契約し、その道のプロをコンサルタントとして派遣してもらった。来たのはインドネシア在住のイギリス人Colin  Singerだった。彼はINPEXの仕事もしていたので日本の会社の内容をかなり知っていた。

さて社内の作業部屋に急ごしらえで置いた机に向かい、コリンが村山作成のテンダースペックに目を通し始めたのだが、すぐに『ク、ク、ク、ク』と笑い声をあげた。面白いことが書いてあるはずはないのに、その笑い声は繰り返し、繰り返し、何度も聞こえた。不思議に思ってその理由を聞くと驚くべき答えが返ってきた。

「すでに前世代のものとなった機器の名前が書いてあるんだ。僕が名前だけしか知らないものがたくさん出てくる。タイムスリップしたみたいだ。これでは現代の海上地震探鉱のテンダースペックとして全く通用しない。馬鹿にされるだけだ」

というのである。

サハリンのプロジェクトでは、地震探鉱処理のスーパーバイザーをしていた物探屋の無知に驚いた。オマーンのプロジェクトでは、本社からやってきた物探屋が実は探鉱器すら見たことがないことを知り、また、物探武装力で検討したという極性問題も間違っていたのである。石油資源開発の物探など、知識、経験、実績、すべてが落第なのである。私が自社の物探屋を使うことを避けるようになった理由はそこにあった。

3年経過すれば物探技術はすでに陳腐化している、のだそうだ。それは機器においてもソフトにおいてもである。経済産業省がJOGMECに買い与えた物探船「資源」など、陳腐の3乗以上になっているはずだから、恥ずかしくて海外の業界人になど見せられない代物といえるだろう。経産省の素人遊び以外の何物でもないと感じる。

それでどうしたか、からは次回に。

 


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

にほんブログ村

selected entries

archives

recent comment

  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(88)人事考課を書き換えさせた石油資源開発人事部
    名無し (10/15)
  • 国際石油開発帝石(インペックス)は経営行き詰まりなのか?それを暗示する現象(2)
    名無し (08/20)
  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(132)ホテル代の踏み倒し
    No use (07/25)
  • 論理の誤り―纏向遺跡と桃の実の年代
    No use (07/24)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    No use (07/24)
  • 『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』を電子出版化した
    ふひと (07/11)
  • 国際石油開発帝石のイクシスプロジェクトは「大失敗」?!
    高松 和弘 (06/27)
  • 起きる確率の高い南海トラフ地震の被害額が1,400兆円以上と言うなら
    toshi (06/14)
  • 決裁文書の事後改竄は単なる文書管理の問題ではない
    giinnokoe (06/01)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    名無し (05/28)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM