園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(201)運転手

 

我が人生になかで運転手付きの車で通勤したのはこのジャカルタ駐在時代の1年半だけである。インドネシアでは安全上の理由で車通勤となっていたようだ。

 

室園があてがってくれた運転手はヘルモンという小柄で、小太りな男だった。この男、裏表があるというか、いろいろ誤魔化すのである。ある時家族がジャカルタにやってきた。兄も来ていて、どこに行きたいかと聞いたら「クラカトア島に行きたい」と言った。巨大地震で有名な場所だったのである。しかしその島は遥か沖合だ。とても無理だというと、そこ近い海岸まででもいいからとのこと。出かけたのである、勿論車で。

 

途中でガソリンスタンドに寄った。運転手に多めに金を渡した。給油を待ってヘルモンがスタンドの従業員に金を支払っている。その時同行していた娘が声を上げた。

 

「誤魔化した!お釣りを自分のポケットに入れた!」と言ったのである。

 

ヘルモンは何食わぬ顔でわずかの釣銭を私に手渡して、運転を再開した。

 

機会があれば運転手を替えてくれと室園に頼んだ。本山の運転手をしていたママットの契約が切れるというので室園に頼んでママットを取得してもらった。この男は嘘はつかないし、まじめでいい男だった.ママットという名前だが、よく聞いてみれば、モハメッドである。カタカナでそう覚えている日本人には「ムハムマッド」との発音はしにくく、簡単に「ママット」としてしまったようだった。

 

 


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