電力会社サイドに偏りすぎの竹内純子

竹内純子という人がいる。元東京電力社員だった人だ。現在は国際環境経済研究所というNPO法人の理事をしているらしい。世の中にはいろいろな研究所という名前を持った組織がある。箔をつけるためか大仰な名前のものが多いようだ。櫻井よしこの国家基本問題研究所というのまであるくらいだ。

さて、その国際環境経済研究所なるものを東京都の公開情報で調べてみれば、財源は正会員の会費と、賛助金で構成されていた。公正かつ不偏不党の意見を…などというけれど、一般に金主がいる場合は金主の悪口は言いにくい。いきおい、金主サイドに立った意見を表明しがちだ。まして東京電力の元社員である、従来も原発擁護の意見を述べている人だ。しかもその論理はヨロヨロした感がするものだった。

7月15日の産経新聞の「正論」欄にこの竹内純子が「原子力規制のあり方を考える」と題する一文を寄せている。「電力会社の原子力規制への対応を考える」としなかったところにも竹内純子の立ち位置が現れているようだ。

「本年4月24日、原子力規制委員会がテロ対策施設の完成が間に合わない原子力発電所については、運転を認めない方針を明らかにした」

所定の安全対策をとらない原発を停止させるのは、必要な安全対策の趣旨から当然のことである。しかし実際はもっとひどい状況らしい。

「規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は記者会見で、1週間前に行われた各社の原子力部門責任者からのヒアリングにおいて、工期に間に合わない恐れがあるという報告が事業者から突然なされたとして…」

からは、電力会社が「工期が遅れますのでいつものように期限を延ばしてください」との態度でいることが見えるようだ。実際にそのようにして今まで来たのだろう。福島原発の津波対策でも同様に東京電力は真剣になどとらえていなかったのだろう。

ところがこうした動きに竹内順子はぶつぶつ言い始める。

「更田委員長は、各社の原子力部門責任者が具体的な代替策を用意してこなかったことを無策として批判していたが、代替策による対応は、事業者と規制機関が綿密にコミュニケーションを取りながら、検討していくべきものだ。事業者だけにその検討をさせるべきものとも思えない」

安全対策工事の工期遅延は工事を実際に担当している電力会社が一番よく知っているはずだ。マネージャーの仕事は予算管理と工程管理、という言葉がそれをよく表している。工程が間に合わないことを一番知っている電力会社が、そのことを規制委員会に言わず、代替策の相談もしないで、突然「間に合いません」と言ってきたからこそ更田委員長が「その態度不届き」とばかり怒ったというのだろう。至極当然のことではないか。それなのに竹内純子はさらにぶつぶつ言う。

「そもそもこれまで事業者は規制機関に対して工期の遅れの可能性を全く伝えてこなかったのだろうか」

「事業者としてはいつ「公式に」伝えるか悩むことはあっても、全く伝えなかったとは想定しづらい」

竹内純子にとって(理由はともかく)想定しづらいことかもしれないが、それが事実だからこそ更田委員長が期限の日をもって原発を停止させると決断したのであろう。そこまでしなければこの電力会社の規制委員会に対する甘えの構造を変化させられないと感じたのであろう。それが理解できないようでは単なる電力会社の応援団に過ぎない。

「説明責任を疎(おろそ)かにする規制機関は、容易に独善に陥る恐れがある。高い独立性を与えられたからこそ自制的・自省的であることが求められるし…」

と書くならば電力会社に対しても、「総括原価方式という絶対赤字にならない方式が電力会社を「安易」に陥らせる恐れがある」点にも触れるべきではないか。

どう見てもこの竹内純子は電力会社側の特命を受けた人に見える。不偏不党が聞いてあきれる。

なお全文は次のURLで確認できる。

https://special.sankei.com/f/seiron/article/20190715/0001.html

 


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