炎上と世論

7月3日の産経新聞の「耳目の門」なるコラムで石井聡が「炎上と世論――意見の言いっ放しは無益だ」と題してSNSなどを舞台にした炎上について意見を述べている。例に挙げているのが川崎市登戸で起きた「川崎殺傷事件」だ。スクールバスを待つ児童と保護者を一人の男が次々に刺し、その後その男は自殺した。この報道に「自殺するなら一人で死ね」という当然の声が起こり「いや、そんなことを言うと更に同様の事件が起きるから言ってはならぬ」との相反する意見も出て、SNSの世界は炎上状態になったというのである。

その意見の相違を主な発言者を示して石井聡は例示している。その図がうまくコピーできぬので以下のURLで見てほしい。

https://www.sankei.com/column/news/190703/clm1907030004-n1.html

「一人で死ね」の強い意見が立川志らく、次が橋下徹、真ん中がカンニング竹山、そして「そんなことを言ってはダメ」と言う尾木直樹、そして「社会はあなたを大事にしているし、死んでほしいと思っている人間など一人もいない」とまでいう某NPOの藤田孝典の五人である。この連中の関心は「自殺者が子供などを道連れにした」ことにあるようだ。犯人サイドに偏ってはいないか。犯人が自殺しようとしまいとこの事件は、突然起きた無差別殺傷事件なのである。我々が一番考えなければならないことは自殺者の人権ではなく何の理由もなく殺されたり、怪我をさせられた子供や保護者をいかに守るかなのである。

特に某MPOの藤田の言葉にはやや呆れてしまう。本当に「社会はあなたを大事にしているし、死んでほしいと思っている人間など一人もいない」のなら、この男は自殺などしなかったであろう。

それにこの例に挙げられた人たちのほとんどは落語家とタレントである。橋下徹は元大阪市長と書いているがタイタンと言う芸能事務所に所属するタレントであり、尾木直樹もママと呼ばれるような“女性”を装って知名度を上げた評論家と言う名のタレントであろう。識見でものを語る人ではなかろう。ここに石井聡の続く文章への伏線が読み取れる。(上手い!)

このあと、石井聡はいろいろな研究結果を提示していく。

「日本大学危機管理学部の先崎彰容教授は新著「バッシング論」(新潮新書)の中で、「ものごとを判断する際に『敵』と『味方』の二分化があまりにもはっきりしている」ことへの危惧を述べている。それは「他者の意見を包容するだけの余裕を完全に欠いている」状況だという」

「文化庁は毎年「国語に関する世論調査」を行っており、平成28年度の調査ではSNS上の炎上についての質問を設けた。…略…驚くのは、炎上を目撃した際に自分も書き込みや拡散を「すると思う」と答えた人は、わずか2・8%だったことである」

「国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの講師・主任研究員、山口真一氏が、3年前にネット炎上に関してまとめた資料からも…略…炎上によるネット世論の形成者はごく一部に限られるというのだ。また、炎上参加者の人物像として「社会に対して否定的で、攻撃的で、不寛容な人」といった傾向が挙げられている」

例示した人たちにも当てはまるのかもしれない。

そうなのだ。「炎上によって世の中全体が騒然としているように見るのは、正しくない」のである。テレビのワイドショーなどは一部が騒いでいるのを大げさに伝えて商売にしているようだ。もっとも、それを見て「一億総評論家」と化す、大衆のレベルも問題なのだが。

とにかく世の中の大勢とされる意見が、実は極めて少数の”異端”のものの意見であり、それがテレビ放送(ワイドショー)などで多数の意見のように放送されることは問題と言うより、排すべきことだろう。ワイドショーからニュース番組にまで芸人・タレント(偽装識者)が司会をするようになっては、正常な意見醸成ができないのではないか。

 


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