園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(194)「矢部さんに殺される!」

35歳でサハリン石油開発協力6年間の出向を終えて石油資源開発本社探鉱部海外担当に戻った時に、林海外室長と一緒に作成した「海外探鉱基本戦略(案)」を当時の日高社長以下に提出したのだが、石油開発公団のプロジェクトや投融資のあり方などから事業性の観点から石油開発公団と距離を置くべきと主張したことが矢部孟の不興を買う原因となったようだった。そのあとポストイノコ案件の評価に参加し、ネガティブな評価をしたとたんに、その報告会の席上、矢部孟に絡まれ、怒鳴られた。それまでにも多くの人が会議の場などで罵倒され、平身低頭して許しを請うのが普通だったが、私は魂を売ってまで保身に走る気持ちを持たなかった。一時は林海外室長が、私が辞職するのではないかと心配をして声をかけに来てくれたほどだった。

そして間もなく潰れかけていたジャペックスオマーンに出向させられ、そこでまたもや6年の草鞋を履くことになったのである。ダリール油田を評価し、開発に持ち込み、油田として完成し、オマーンから原油を日本に持ち込むことに成功した。石油資源開発にとっては初めてのオペレーターとしての海外プロジェクトの成功であったように思う。

そのまま引き続いて米国のジャペックスUSに出向というところを矢部孟(ジャペックスUS会長)の反対だったのか、内示を受けていたのが変更になり、本社探鉱部総合課長になったのである。その時に探鉱部次長であった森田謙宏から明かされた言葉が今も頭に残っている。

「あの時はさ、小野が矢部さんに殺されるというので急遽オマーンに出向させたんや。避難させたんだ」

しかし、その後にまとめたのが国内探鉱のソフトランディング計画であった。これがまた矢部孟の癇に障ったらしい。

探鉱部次長になっていた私に突然インドネシアに出向の指示が来たのである。国内探鉱終結に向けての撤退計画を作り、石油公団肝いりのタリムプロジェクトの評価で「4拍子そろって駄目なプロジェクト」としたので、経済産業省も石油公団も“不埒な奴”と判断したのだろう。

そのインドネシアプロジェクト(ジャペックスサボ)からそのままオーストラリアのジャペックスACに移動となった。その後私的な事情で帰国を願い出たのだが、戻った先はなんと資材部、技術系の探鉱開発からいわば追い出されてしまったのである。2年で技術系に戻すなどという岡部常務さんとの約束は紙よりも薄かった。これらについてはそれぞれの時期のところで詳細に記述するつもりである。

随分ひどい目にあったが人間万事塞翁が馬、石油の探鉱開発を捨てたかのような石油資源開発で働き続けたのではなく、もっと有意義な歴史再解読という仕事を得て毎日充実した日々を送っている。役員や副社長になっても、メッキの下の地金の質の悪さに降格処分と評価される扱いを受けた者たちと比べれば、金銭的には恵まれずとも、誇りうる人生を送っているのである。思いようでは、あのパワハラなかりせば、今の人生はなかった。ある意味で感謝である。

「嗚呼玉杯に花うけて 緑酒に月の影宿し 治安の夢に耽りたる 栄華の巷ぁ 低く見てぇ♪♪」

そして

「た〜〜だひと〜つ〜〜♪………称え 称えん 称え 称えん〜〜〜♪」

もう一つ

「闇を破らん清めなん 暗きに迷う 同胞が 行くべき道を 示すなり〜♪」

七十一歳にして青雲の志を今もって忘れず

 


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