大原康男も猪瀬直樹も…

産経新聞(54日)には「日本の議論」として「改元と新たな皇室像」と題する対談が載っている。対談者は猪瀬直樹と大原康男だ。猪瀬直樹と言えばあの東京都副知事時代の生意気で人を見下したような、“田舎の成金的”態度を思い出す。この対談では「鴎外が基本定めた元号」との主題で話をしているのだが、インタビュアーはあの阿比留瑠比だ。

「鴎外はドイツに留学して近代を知り、歴史科学も学んだ。『神武天皇から2600年続いた王朝』というのは実証的な史実ではないと分かっている…」

と書いているだけ、他の盲目的「万世一系屋」より遥かにましである。しかしよく読めば、51日に『元号通覧』を刊行したことの宣伝の匂いが強すぎる。こういう時期にとの商売人的な発想のようで、それが如何にも猪瀬直樹らしく感じる。

かたや大原康男だが、こちらの主題は『新時代ふさわしい令和』と言うものだ。国学院の先生らしく、また神道文化部教授であった人らしく、歴史を科学としてではなく宗教的に眺めてきたのではないかと感じられる。いわく、

「皇統は126代にわたって一度の例外もなく男系で継承されており、女系天皇が継承すれば万世一系は断絶し、別の王朝が始まることになる。そのとき、国民は統合の象徴として受け入れることができるだろうか」

神皇が正統ではないと鎌倉幕府から指摘されたからこそ北畠親房は「神皇正統記」を著して正統だと言い張ったのであろう。鴎外の言を借りるまでもなく、万世一系など明治政府の政治的必要性から出たものであろう。政府や権力者に忖度して発言したり書いたりする学者や新聞記者は数多い。そしてそういうものを意図的に選んでインタビュー記事として国民に読ませようとする新聞も多いようだ。

かつて旧石器の遺物を次々に発見したというものがいた。これに疑問を呈した一部の学者はなんと学会から八分にされたそうな。歴史に科学がないくらいな我が国の学会である、宗教的な部門に科学などないほうが当たり前なのかもしれぬ。そんな人文系ならば、無用と言うよりむしろ害毒である。

 


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