園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(189)砂岩における音波伝播速度と孔隙率の関係式を発見した

書斎の資料を整理していたら、古い研究資料が出てきた。砂岩における比抵抗と孔隙率の新たな関係式は既に石油技術協会誌に発表した。その後、その関係の理論解も含めた一般解をまとめたが未発表でいる。石油探鉱をやめた石油資源開発の探鉱屋にはもはや無用であろう。

若い頃の話であるが物理検層データの内、密度検層(ガンマ―ガンマ―)はかなり正確に孔隙率を導き得るのだが、音波検層と言うのはさっぱり役立たないことに疑問を感じていた。電気比抵抗と孔隙率の関係の時にはArchieの式という基本式が雑すぎたのが問題であったのだが、音波と孔隙率の場合もWyllieの式があまりにも荒い近似式だからであろうと感じた。原著論文を読み、実際のコアデータを収集して真の基本式を求めようとした。会社から帰った後夜なべで連日取り組んだ。

そして得られた基本式は、

 

V=(1-φ)Vm+φ1/3Vf

 

ただし、Vmは石英の音波伝播速度である。地層が水平なら石英のc軸が層理面とほぼ平行とみて、Vmとしては石英のa,b軸方向の音波伝播速度をとればよい。粘土鉱物含有量による補正はチャート上に示した。

添付の写真のように論文原稿も、図版、解析用チャートも用意してあるが、発表の方法もないので詳述しないし、公表もしない。この結果を得て個人的にはすこぶる満足している。なんといっても物理式の持つ美しさに感動したのを覚えている。何時の日か誰かがこの式に到達するかもしれないが、それを楽しみにしている。ちなみにこの関係式を得たのは1978年、すなわち私が30歳の時であった。会社から帰っての自宅で深夜まで研究に没頭していたころを懐かしく思い出す。

なお、チャートについては完成図ではなく、敢えて元図を示しておいた。会社時代を通じて、岩石物性学の知識のあるものに出会えなかったのだ残念だった。

 


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