纏向遺跡でのカエルの骨の発見

産経新聞(4月26日)に興味深い記事が載った。他紙にも同様な記事が載っている。ここでは「関西NEWS WEB(NHK)」に記事を引用の上で内容にコメントしよう。

(引用初め)

邪馬台国の有力な候補地とされる奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で、祭祀(さいし)に使われたとみられるカエルの骨が見つかり、専門家は、カエルが供えられたことを示す具体的な資料で、当時の祭祀を知るうえで貴重な発見だとしています。
桜井市の纒向遺跡は、3世紀から4世紀にかけての大規模な集落跡で、女王、卑弥呼が治めた邪馬台国の有力な候補のひとつとされています。
遺跡では9年前、3世紀前半の大型建物跡のそばに掘られた穴の跡から、古代中国で神聖な果物とされ、当時の祭祀に使われたとされる2000個以上の桃の種と、動物の骨が見つかりました。
この動物の骨を、奈良女子大学の宮路淳子教授と琉球大学博物館の中村泰之協力研究員が詳しく調べたところ、12匹分のカエルの骨が含まれていることが分かりました。
カエルの骨には無数の傷があり、あらかじめバラバラにしたうえで埋められたとみられるということで、宮路教授は「カエルが桃などと一緒に意図的に埋められていて、祭祀に使われた可能性がある」と話しています。
また、古代の祭祀に詳しい同志社大学の辰巳和弘元教授は「地面をふんばって跳びはねるカエルは古代、大地の主とされ、古代中国では霊力のある動物とされている。そのカエルが供えられたことを示す初めての具体的な資料で、当時の祭祀を知るうえで貴重な発見だ」と話しています。

(引用終わり)

同志社大学の先生が「カエルは古代、大地の主とされ」と言っているがこれは本当か?そのようなことを記した日本の古代の文献があるのだろうか。もしカエルが大地の主であるなら何ゆえに神に供えられるのか。神として祀られるのではないのか。ご都合主義歴史“学”のにおいがする。

さて中国の道教ではカエルの一種であるヒキガエルが「青蛙神」または「金華将軍」と呼ばれ、「天災を予知する能力を持つ霊獣」として信仰されていた。太陽には金烏と呼ぶ三本足のカラスが、そして月には三本足のヒキガエルがいるとされてきたのである。その天災予知の能力から、古代の祭祀において或る種の占いに用いられたと考えたほうが良い。この纏向遺跡は卑弥呼の時代のものであることが遺物の桃の実の年代測定から明らかになっている。卑弥呼が好んで魏から拝領したのが三角縁神獣鏡である。三角縁と言う龍の鱗でできた結界の内側に神獣がいるというそのものずばりの道教の世界を背負った鏡である。道教が、鬼道をよくすると言われた卑弥呼の時代の倭国に強く影響していたとみて間違いはないだろう。

また時代が下って北魏系渡来氏族と言う道教を奉じる者たちが、藤原鎌足、天智天皇、天武天皇持統天皇と天皇になっていくのであるが、彼らが愛した牟婁の湯のある紀伊の国には、そのヒキガエルにちなんだ信仰の場所があるのである。例えば熊野の旧社と言われる神倉山の頂にはゴトビキ岩がご神体として聳えるが、「ゴトビキ」とはヒキガエルのことであり、岩の頂部はまさにヒキガエルの形状をしているのである。田辺方面にも「○○ビキ」と言う奇岩の並ぶ場所があったりする。そして熊野三山の神の使いは三本足のカラス、すなわち月の青蛙神と対をなす太陽の(三本足の)金烏なのだ。

これらは従来の先生方の発想では考えつかないものかもしれない。興味のある方には拙著『北魏再興国家としての日本(漢家本朝)』(キンドル電子書籍、Arakahi Books)を一読することを勧める。

 


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