園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(188)鉱区ブローカーの手引きをする元高級役人、その3

相手側の正面は元外務省の局長である。しかし本当は掘削などしていないのだが、どこかの掘削現場の写真を見せて油を見つけたと偽ってその鉱区を買わせようとしている相手の意図はすぐに分かった。そこで全く言質を与えぬように話したのである。ただし丁寧に、丁寧に、ひたすら丁寧に、である。

その様子を理解したのか、三宅和助は、

「いやあ、よく分かった。ありがとう」

と言って鉱区の話を切り上げたのである。そして私の顔をじっと見て、

「君にはどこかであっているような気がするが」

と話しかけてきた。

「いえ、はじめてお目にかかったと思いますが。中東オマーンのプロジェクトには6年間携わってまいりましたが」

「そうか、その間にあったのかもしれんな。時に、あんたが気に入った。何かあったらわしを訪ねてきてくれ」

と会話は続いたが、それで話し合いは終わった。

翌日日下常務から電話があった。

「村上さんから電話があり、『石油資源開発にあれほどはっきりものが言える人がいるとは思わなかった。くれぐれも有難うと言っていたとお伝えください」とのことでした。それにしてもよく緊張せずに対応できましたね』

「大丈夫です。親戚にはフィクサー業のようなものもいるので」

それにしても、あの村上世彰に感謝されたのである。それから後、開発課に用があって行くたびに村上開発課長補佐が奥の席から立ち上がってお辞儀をしてくれるようになった。村上世彰とはその後一度接触があるがその話はその時点で。

 

 


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