日本政府に領土奪還の意思は毛頭ない

産経新聞(4月8日)の「正論」欄は「露に領土返還の意思は毛頭ない」と題する木村汎の寄稿だった。木村は、長く係争が続いたロシアと中国の領土問題解決の例として、プーチン政権がウスリー川とアムール川の合流点の三角州に位置する3つの島(ボリショイ、タラバーロフ、大ウスリー島)の主権帰属先問題に関して、係争3島の全面積を2等分し、その半分を中国領と認めることに同意した事例を示し、その時には”領土割譲”反対の声が高まることを恐れて地元には秘密裏に交渉を進めたことを特記している。

翻って、北方領土問題についてはプーチン政権は国後択捉島などの住民に島の帰属問題に関するアンケートを実施している。木村は、このことが端的にロシアが北方領土四島の返還の意思など全く持たない証左だと述べているのである。そしてそれは日本に対する明確な意思表示なのだと日本政府が受け取るべきだと結んでいる。

木村汎の意見は誠に正論である。しかし、その事実を日本政府が知らないのかと言えば、知っていると私は見る。日本政府は木村汎の言葉から伝わる「ロシアの意図に気づかない愚か者」などではなく「そんなロシアの意思を十二分に承知のうえで、あたかも交渉すれば北方領土が返還されるかの如く装い、日本の国のために注力しているふりをしているとんでもないワル」だと思うのだ。

竹島を韓国にとられたままでも奪還に向かわない、返還運動に政府側の人間を参加させないなど、まるで日本政府でありながら韓国政府のごとき振る舞いをしている。木村汎の付けた題の「露に領土返還の意思は毛頭ない」などという生ぬるい状況ではなく、「日本政府に領土奪還の意思は毛頭ない」という状態なのだと思う。ロシアに騙されているならまだ許せるが、日本政府(外務省を含めて)が日本国民をだましているのが許しがたいと思うのである。

北朝鮮による日本人拉致被害者を日本政府が本当に取り返そうとしていると信じるのも、間違っているように思えるのだが。

 


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