園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(185)仙台パイプラインのガスを仙台市にとの売り込み工作

とにかく海外関係だけを担当し、海外プロジェクトに出ることが多かった私は石油資源開発の国内でのビジネスを全く知らなかったに等しかった。本社探鉱部総合課長に戻った時も、ジャペックスUSに出向し、ヒューストン駐在と決まっていたのが急遽変更になったものだった。国内探鉱の経験もなく、社内組織のありようすら知らぬので、毎日が超多忙の内に過ぎていったのだが或る日、企画室担当の日下常務取締役から呼び出しを受けた。何の用なのか皆目見当もつかぬまま日下常務の部屋に伺った。実は顔すら良く知らなかったのである。

「あなたの家は伊達藩の関係者でしたね。仙台に親戚はいますか」

「戊辰の疫後江戸に出ざるを得なかったので仙台の親戚も少なくなりました。島野武という仙台市長は7期務め在職中に亡くなったのですが、彼は祖父の弟、つまり私の大叔父に当たります」

「実は仙台パイプラインのガスを仙台市ガスに導入してもらって経営の安定を図ろうと工作をしているのですが協力願えませんか」

「コネを使って売り込み工作をするということですか」

「はい、作井部の藤井さんの父君が仙台市議会議長を務めた方だそうですので、そのルートも使って」

「分かりました。役に立ちそうなものがいるか当たってみます」

親戚で島野会という親睦組織を作り、300人近くが集まるというので新聞に取り上げられたこともあったように記憶している。そのメンバーである川口市の市会議員を通じて仙台での工作可能性について調査を開始した。しかし、しばらくして「工作中止」の指示が企画室から出た。石油資源開発は仙台パイプラインのガスの仙台市への売り込み工作を諦めたのである。対抗していた側に三塚博が付いたからだったと後から聞いた。

親戚の各所に声をかけてしまってからの急な中止指示に、不義理をすることになり、困ったことを記憶している。図らずも、営業・企画関係のダーティな行動を知ってしまったのである。

 


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