園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(184)某重大事件

石油資源開発への天下り元は現在では経済産業省だけである。しかしかつては異なっていた。経済産業省からの天下りが社長、会長他の複数のポストを占めていたが、大蔵省からの天下りを必ず受け入れていた。その待遇は普通は常務取締役或いは専務取締役であった。

大蔵省から天下ったH専務取締役(常務?)がいた。何時も酔っぱらっているような感じで、頭を小刻みに震わせながら社内を歩いていた。たいそう酒が好きな方だったようである。そしてある時、急に姿を会社に見せなくなった。半年以上経過したころ、ある北国の地方都市で発見されたとのことだった。社内でその事情についてひそかに情報が流れた。もちろん私も聞いて知っている。しかし、普通の醜聞なればそれも記録だと、記述するのだが、さすがにはばかられる内容なので、また、直接聞いた話ではないので、あえて詳細は書かない。知っている人は社内にまだかなり残っているはずだから調べればわかると思う。

その某重大事件の後、大蔵省からの天下りは一人として来なくなった。経済産業省からの天下り社長がとかく”経済”性を無視してプロジェクト乱造に走るのを牽制し、一種のブレーキ役を果たしていた大蔵省からの天下り役員がいなくなったことで石油資源開発は経済産業省の思惑通りに動く会社になってしまっていった。つまり暴走に対する歯止めを失ったのである。その意味で、このH専務取締役(常務?)が付けたという汚点は計り知れない悪影響を石油資源開発に与えたといえる。毒にはバランスをとるための別の毒が必要なのである。

少なくとも天下りが適材適所などではなく、出身官庁の意向を受けて、無審査に受け入れられていることが、これらの経緯から分かるのである。事業を行う会社に適性や能力に無関係に選んだ経営者が天下るのではその事業など上手くいくわけがあるまい。日本の生産性が低いというが当然であろう。

 

「余談」3月19日のブログでは「INPEX(国際石油開発帝石)はイクシスの追加開発を秘密裏に実施中?」と題して国際石油開発帝石が、工程も遅れ、費用も大幅に超えながらようやくLNGの出荷を始めたばかりにもかかわらず、すなわち莫大な借金返済を始めるステージで秘密裏にイクシスの2次開発をしているらしいと指摘した。実態を隠すのは国際石油開発帝石の特徴の一つだから今に始まったことではないが、それにしても東証一部上場会社としてIRが決定的に不足している会社に見える。「健康経営」の「なでしこ」銘柄のと言っても、実は「不正直」銘柄なのだから困ったものだ。

その2次開発だが、コペンハーゲンベースの海洋掘削会社が国際石油開発帝石と3年間の掘削契約を交わしたと発表した。それによれば2020年第2四半期から掘削作業を始めるとのことだ。契約には2年間のオプションが付いているというからかなり多くの坑井を掘削するらしい。それに伴って埋蔵量も、生産量も増えると期待することになるが、先の開発の時には最初の生産井2坑が失敗に終わったことが分かっている。試掘にしてもそうだが石油開発の坑井は当たる確度の高いものから掘削するのが原則だ。従って2次開発は1次開発に比べてすべてにおいてリスクが高くなっている。目論見通りに行くかなど期待しすぎないほうが良いだろう。とにかく、掘削リグ契約に関する新聞記事のURLを示しておこう。

https://www.oedigital.com/news/464708-inpex-awards-3-year-drilling-contract-to-maersk

(海外では多くの報道がなされている。知らぬのは日本人(一般株主)くらいか?)

それにしても、2次開発で2倍になると目論む生産ガスは現有のパイプラインでダーウィンまで送るのだろうか。現有パイプラインで送れるのならそれこそそれはオーバーデザインだったのだろうし、追加パイプラインを敷設するなら不経済だ。現有設備でLNG化するわけではあるまい。どっちにしても計画性がない。そんな考え方で巨費を投じてプロジェクトを“もてあそぶ”のではプロとは言えないだろう。ずさん投融資で破綻した石油公団の敗残兵が数多く流れ込んだ国際石油開発帝石の体質的筋の悪さが目立つ。歴史は繰り返すというが…

【口直しに一句】

  うぐいすの 声(越え)渡りくる 広瀬川

 


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