園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(182)品格の欠如

坑内物理検層は国内ではシュランベルジャーを排他的に使用していた。新潟県長岡市に常設の事務所を構え、ツールのキャリブレーションピットを設置し、しかもオペレーションには通常(日本語での会話を可能とするため)日本人エンジニアを提供していた。このシュランベルジャーはフランスの会社であり、石油資源開発との契約はもちろん英文契約であった。作業の外注契約は石油資源開発では資材部が担当するのだが、資材部は英語契約の交渉・締結能力が不足だからとの理由で、資材部からの依頼で必要な時に探鉱部が交渉し、契約を交わしていた。

私が探鉱部総合課長になった時に、そのシュランベルジャー社との契約内容を大きく変えた。ボーナス・ペナルティ条項を取り入れたものにしたのである。シュランベルジャー社との数次に及ぶ交渉を経て合意に達し、いざ契約という時点になっていた時、探鉱部の私の席に向かって見慣れぬ男が近づいてきた。ぎょろ目と大声、ガラの悪さで有名な勝瀬資材部長(後に参与)だった。机の前まで来るなり、挨拶もなく、

「シュランベルジャーとの契約は今年からこっち(資材部)でやるからその積りで。何時までも探鉱部に良い思いをさせておくわけにはいかん。通告はしたからな」

と言い放ったのである。そして踵を返して出て行った。

今まで探鉱部にお手数をかけていましたが英文契約にも慣れてきましたので資材部で取り扱うようにしたいと考えています、といったまともな挨拶ができないのか、この馬鹿、と感じたものである。

すぐ後ろの森田次長が頭にきたらしく、

「小野君、あんなのほっとけ。資材部では英文契約はできないから頼むと頭を下げて来たくせに」

と過去の経緯を知っている人ならではの反応を見せた。

少し後で資材部の檜貝が、

「うちのがご迷惑をおかけしました」

と謝ってきた。

それにしてもまるでゴロツキのような部長がいるのに驚いたものである。後年私が資材部長を命じられた時には、人事関係書類も、部長会議事録も、資材業務に関する引き継ぎ書も残さずに資材業務の断絶を引き起こすような行為をしたのもこの勝瀬という男であった。その時のことは改めて書くつもりである。それにしても契約を担当するとベネフィットがあると邪推するのは、業者から何らかのベネフィットを資材部が受け取ってきたことを端的に示している。

時に昨日(23日)の夕方、仙台には雪が舞った。気温が20度にもなる日もあれば雪の日もある。気候が定まるのはまだ少し先のようだ。桜のつぼみが大きくなり、かつ色づいてきた。

 


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