こんな教育論でいいのか?

36日の産経新聞に「『解答乱麻』はおわります」とあったからこれが最終回なのであろう。最後の「解答乱麻」を担当したのは、バッカーズ寺子屋塾長の木村貴志である。題が「もの言わぬ日本人から脱却を」という、“教育論”に似たもののようである。

国際社会における日本人の弱点について語っているのだが、

「弱みの一つに、自分の考えを持たず、発言したがらないことがある。学校での学びには公平な評価が必要だ。だからテストがあり学ぶことには正解がある。その当然の前提が「知らないこと=良くないこと」という意識をつくる」

「「正しい答えは必ずあるものだ」「間違えたら無知をさらすことになり恥ずかしい」との意識が醸成され先生からの指名という危険をできるだけ回避したい心の習慣ができる」

何か勘違いをしているようだ。自分の考えを持たず、発言しなくても時が過ぎていく、ぬるま湯の中のような環境に生徒を置くからそうなるのであって、我々団塊の世代のすさまじい競争社会では「知らないことはよくないこと」「無知をさらすのは恥ずかしい」からこそ、知識を増やし、間違えぬように努力したのである。競争のメリットなど、ぬるま湯で育った教員に理解できないのではないか。それこそ無知なのではないかと感じる。

「違う意見を言うと笑われる危険性があるので「同じです」という答え方は、授業でも学級会でも安全な答え方としてよく使われる」

これもわかってないなあと感じるものだ。他者と異なる、しかも説得力のある意見を述べてこそ「あいつは凄い」と一目置かれるのである。「同じです」などと答えていては、その他大勢に埋没してしまうという危機感がない先生なのだろう。

このような考え方をしておいて、

「学びと生き方に対するPassiveな姿勢を如何(いか)にActiveなものに変革するかがこれからの教育の大きなテーマだ」

と書いているのも理解できない。Passiveの反対はPositiveだということは別にしても、このような分析をしているようではそれは叶わぬだろう。続く部分の論理が良くわからない。

「集団の陰に隠れぬためには、「個の確立」が大切だ。それは、自分の考えと意志、判断力・決断力を持つことである。その土台として、勇気、公正、公平といったプリンシプルや教養を身に付けることが大切だ。そのためには「聴く・読む・書く・話す」の4つの基礎的学びの奥深さと重要性を熟知した教育実践が必要だ」

の部分だ。

「「聴く・読む・書く・話す」の4つの基礎的学びの奥深さと重要性を熟知した教育実践」があれば、「勇気、公正、公平といったプリンシプルや教養を身に付けること」ができるというのか?そして、それが土台になって、「自分の考えと意志、判断力・決断力を持つこと」が可能になり、その結果として、「集団の陰に隠れぬための「個の確立」」ができると言うのか?この木村貴志はそう考えているらしいのだが、「風が吹けば桶屋が儲かる」類の“お話”にしか聞こえまい。

私は大学の講義でも一番前の真ん中に陣取っていた。同じことをするものも数多くいた。そして先生にはそれこそ熱血教師がいた。甘やかしのないシビアな競争的教育環境、熱血教師、そして個を主張する、多と異なることを尊ぶ環境があればすぐにも解決する問題のように感じる。

そもそもそういう教育対象にならぬレベルのものにまで教育を広げたことが大きな問題ではなかったか。憲法にも「国民はその能力に応じ」教育を受ける権利を持つと書いてなかったか。ビジネスとしての教育業を真の教育に改めるのが先であろう。

日本の未来は暗いとの印象を持った。

 


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