ノーベル平和賞推薦、『頼むバカ』に『応じるバカ』。恥ずかしくないか?

トランプ米大統領が、安倍晋三首相にトランプ大統領をノーベル平和賞受賞者候補に推薦してほしいと依頼し、安倍首相がそれに応じていたとの報道が最近出た。「推薦してくれた」と記者会見で公言してしまったのはトランプ大統領である。ノーベル賞候補の推薦に関することは50年間秘密とするのが決まりだというから、その決まりを破ったトランプ大統領には既に受賞資格はないのだろう。

推薦を受けたと公言したこと以前に、推薦を依頼する(この場合は命ずる?)こと自体がみっともない行いと言えよう。米国人に君子の道を説いても始まらないだろうが、何といっても国を代表する大統領なのであるから今少し良識というものをわきまえるべきであろう。

さて2月20日の産経新聞の産経抄はこの件に関する記事である。まず、

「(トランプ米大統領は)予測不能の発言と行動でたびたび世界を混乱させてきた人物である。熱烈な崇拝者をのぞけば、賞にふさわしいと考える人は多くないだろう」

と書いている。世の大勢の意見として、「トランプ大統領はノーベル平和賞にふさわしくない」としている。しかし、

「日本の国益のために、同盟関係にある超大国の力を徹底的に利用するのは当然である。断ったときのリスクも考えれば、首相として選択の余地はない」

と続いて書いている。前半と後半の文章が全くかみ合っていない。無理に屁理屈を考えた時の特徴である。前半はその通りだ。米国の力を日本の国益のために利用するというのだから。しかし米国に頼まれたら、「断った時のリスクを考えれば…」とは何事か。トランプ大統領の個人的な依頼を断ると、米国という国家が“日本にとっての国家的リスク”ともいうべき報復を日本に対して行うというのか、産経新聞は。それでは米国をまるで暴力団(反社会的勢力)のように考えているということなのだろうか。まるで、実は日米は密接な同盟国などではないと言っているようだ。大国の力を利用するためには何をしてもよいというのか。それでは某隣国と同じではないか。

さて、安倍首相はその、横車的要請を受け入れて推薦状を書いたようだ。疑いが濃厚だと、「それが本当なら総理大臣を辞める、国会議員も辞める」と興奮して反応する安倍首相が今回は否定しないのである。大多数の人がふさわしくないとしているトランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦したのは明らかな誤りであろう。さらに言えば、大多数がふさわしくないと考えているにもかかわらず、「日本国民を代表して」と推薦文を書いた点がけしからんと感じる。国民全体と書くことで責任の所在をごまかさずに、安倍首相個人として推薦すればよいではないか。

「トランプ氏の推薦を否定しない首相に、批判の声が上がっている。「ノーベル賞級のお追従(ついしょう)」と決めつける朝日新聞のコラムは、「賢く断る手立てはなかったのだろうか」という。どんな手立てがあるのか、ぜひ教えてもらいたい」

が産経抄の結びの言葉だ。

答えは簡単である。断ればよいだけだ。何やら「是々非々」ではなく「是是是是」が安倍“対米外交”の基本のようだ。北方領土交渉ではロシアの言う通りに領土を捨て、平和条約を結ぼうとしているのにも通じる行動ではないか。

単なるイエスマン、ポチは同盟関係でも、良好な友人関係でもない。支配者と被支配者の関係であろう。断る理由を問われたら、「日本では古来そのようなことを頼むことも、応じることも恥ずべきことだとされております」と言えば良いのではないか。なんと情けない産経抄であることか。


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