園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(178)幻となった国内探鉱の出口計画

国内探鉱終息に向けての最後のコンパイル作業を実行するためのコンパイルチームを創設した。その準備のさなかに突然森田探鉱部長から出向の話が告げられた。インドネシアのチモール海での「サボ」鉱区の探鉱を行うプロジェクト会社「JAPEXサボ」のエクスプロレーションマネージャーとして出向せよとの指示だった。いよいよこれから国内探鉱の最終ステージのまとめに入る重大な局面だったのに…と感じたが、この突然の出向には思い当たるところがあった。

国内鉱区のポテンシャル評価結果を探鉱関係の幹部社員には、各鉱業所を含め全社的に説明会をした。私一人が説明したのではない。片平常務取締役が全体論を話し、私が評価結果を話すというものだった。しかし、探鉱関係といえども一枚岩ではない。米国関係で矢部副社長と近い関係にあったSやOなどを始め何か変わったことがあれば「ご注進」と走るものもいたようだった。国内探鉱を収束させるというのは極めて大きな方針変更である。もちろん全鉱区の評価作業を終えた後に結論を出すものなので決定事項でなどなかったのだが、「こんな系統をしています!」と知らせに走ったものがいるとみてよかった。

そしてコンパイルチームのリーダーには札幌鉱業所次長の服部正樹(のちに常務取締役)が着任したのである。着任早々の服部は私に向かってこう言った。

「コンパイルを担当することになった。僕は試掘ロケーションがないことを確認するためのコンパイルではなく試掘ロケーションを“つくる”ためのコンパイルをするからね」

その瞬間にすべてが理解できた。守旧派というか、石油公団(経済産業省)の補助金政策や基礎試錐政策に協力することを信条とする連中が国内探鉱終息構想を潰しにかかったのである。経済産業省の下請け組織の特徴がそこにある。その結果が現在の、探鉱開発中心と言いながら探鉱開発にはほとんど取り組まない石油資源開発である。昨今、自由選択定年制(早期退職制度)を利用して早期に会社を去るものが多いのもむべなるかなである。

 


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