園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(177)国内残存ポテンシャル評価と国内探鉱の出口計画

予想発見埋蔵量の算定結果は既に国内の残存鉱量は微々たるもので、探鉱対象とするような地域ではないことを示していた。試掘数などがが統計量を満たさない北海道においてはヒストリカル・マッチングを利用しての予測は不可能なので、今少し勇払型の油・ガス田発見の可能性があるかも知れないと考えた。そして石油資源開発設立以来、摘出した試掘対象構造リストでは、すでにDランクにまで試掘を実施し、これまた試掘対象構造自身が払底しているだけでなく、油田成立を仮定した場合でもその経済ポテンシャルが低すぎることが明確になった。

以上から、国内の探鉱は北海道を除いては既に終焉を迎えていると判断できた。しかし現実に探鉱関係の社員は本社だけでも60人余を数えていたのである。物理探鉱部、地科研、SKE、技術研究所などにも関係するものが多数いたのである。どのようにソフトランディングさせていくかが大きな課題となっていた。そして次のような基本方針を考えた。

  • 北海道の勇払油・ガス田における試掘という名の探掘(国の補助金を利用するため)と、新潟県の片貝ガス田の探掘などの作業が継続している間に国内探鉱終焉に向けて準備を進める。
  • 年間1億円の鉱区維持費用のかかる海洋鉱区を順次放棄していく。
  • 国内探鉱終焉後に悔いを残さぬために、国内に関して最後となる地質コンパイル作業を実施し、その正式評価レポートをもって国内探鉱終焉の決定根拠とする。
  • 国内探鉱のサポート業務を担当してきた技術研究所の閉鎖を考える。
  • 探鉱は海外業務に適性と能力のある要員に絞って少数精鋭化した上で、海外に活路を見出す。(M&Aによるグローバル化も考えていた)。

といったものであった。

余剰となった人員については、レイオフとせざるを得ないと考えていた。ある程度の給料を仮令定年まで払い続けても、事務所スペース、机やPCなどの備品、通勤手当、さらには失業対策事業のような無駄ワーク・見込みのないプロジェクトの排除による縮減効果のほうが大きいと考えていた。

つらい仕事だが、鉱山会社の宿命ともいえる、『枯渇(堀尽し)』に対処せざるを得ないのである。つらい仕事を避けて、先送りすればするほど傷は深く、却って社員の痛みが増すのである。

そして実際に国内コンパイルグループを編成したのである。これが私が48歳で探鉱部次長の時のこと、今から22年前のことである。ちなみに、国内探鉱が末期にあるとの認識は私が石油資源開発に入社した昭和48年には社内の探鉱開発技術会議において既に発表・議論されていたものである。それは遥か45年も前のことになる。

 

 


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