桑原聡の私見が面白い

産経新聞に【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら】という連載がある。書き手は文化部の桑原聡、なかなかの文化人である。内容だけでなく、今回(21日)が第44回という連載回数など常人には達成困難であろう。今回の題は「人生100年時代に思う」というものだ。青年が安楽死を望む世の中になった、その世の中を分析し、持論を展開している。素晴らしいと誉むべきところは多かれど、「む、む」と思うところもある。後半の持論についても少し視点をずらしてみれば、より立体的に論ずることが可能になるのではないか。

「年金制度は廃止すべきだと私は考えている」

とある。同感だ。人口が現状維持かあるいは増加傾向でなければ破綻する、世代間扶養という考えを、少子化が進んでいるのが明らかになっても考え直さなかった厚生労働省には、基幹統計でのインチキも恥じぬ頭なのだから、年金など担当させてはならぬといえるだろう。そのまま認めてきた内閣・政府の無能の反映とも言えるが。数年前ではなかったか、百年安心などと嘘を叫んでいたのは。厚顔無恥が政治家と官僚の特徴のようだ。

「老後は国に頼らず、自力で生きる。それが無理なら自分の子供に面倒を見てもらえばよい。1人で親を支えるのは重荷だろうから最低2人、できれば3人の子供を育てておきたい。肝心なのは子育てをしながら、老いた親を子供が扶養するのは当たり前という空気を醸成してゆくことだ。同時にこれから建てる家は2世帯が暮らせる間取りを基本とする」

自助努力で老後を過ごす、賛成である。だがそのあとがいけない。自力で老後が送れない場合は自分の子供に面倒を見てもらえばよい、との意見なのだが、そんな願望を持ったとしても子供が面倒を見てくれるなどと考えるのは誤りである。面倒を見るには金銭的サポート、介助、介護、見取りといったものがあるが、現在では中年の子供が親の家で、親に財政的に助けられて生活しているものが多いのが現実である。子供が面倒など見てくれるわけはない。それに、安倍晋三首相が掲げる「一億総活躍」というのは家庭の専業主婦を減らして労働市場に出す政策なのだから、在宅介護を前提とした我が国の方針と正反対のことを推し進めているのだ。家には子供はいない現実をどうする。

子供一人では無理だから23人、と書いているが、家に関しては2世帯住宅だという。悪平等の観念にとらわれた日本人の兄弟3人のうちだれが親と二世帯住宅に住んで面倒を見る?「あの月をとってくれろと。。。」に近い実態として意味を持たない考えのようだ。

考えが浅く見えて仕方がない。教養のある方なのだが。。。、年を取ればどうしても希望、願望という非現実的なものが客観的な考察にまで混ざりこんでくるものではあるのだが。

 

 


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