園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(175)油田発見予測法の開発

石油開発というものは当然ながら油田発見確率の高い所から探鉱していく。従って統計的には大きな油田が先に見つかり、時と共に発見そのものが減少するとともに発見する油田規模も小さくなっていく。この傾向は全く新しいプレイタイプが確立するまで続く。

この性質を利用して解析的な油田発見予測法が開発されていた。一つはアルプス―ロバーツ法であり、もう一つはクリーミングモデルと呼ばれるものであった。時の片平常務から探鉱が熟成した、実態はくまなく既に試掘した秋田、新潟地域においては試掘数が統計量を十二分に満たしているので統計的アプローチが可能であろうから取り組んで欲しいとの指示を受けた。過去の試掘数の年次展開、発見油田の埋蔵量などのデータが片平常務から提供された。発見曲線を最初に造り、早期に大油田が発見されていることを確認した。そして上記の二つの予測法以外にもう少し計算が楽な予測法がないかと油田発見のパターンを元に新たな予測式を考案した。クリーミングモデルでは実際の油田発見曲線を得るべく実際のデータとフィッティングさせる際に非線形になってしまうのである。しかし考案した「ニュークリーミングモデル」の場合には線形になることが分かった。そして上記2つの予測法と比較しても殆ど同様の結果をもたらすことが確認できた。

このフィッティングにはコンピューターの力を借りる必要があったので、モデルの開発段階から協力してもらっていた物理探鉱部の松岡敏文に手伝ってもらっていた。松岡とは武蔵野市の社宅の1回階と2階の関係であったので、家人が寝てしまった後の深夜に我が家のリビングで、連日のように、計算結果を検討した。発見埋蔵量の予測計算と言う微妙な案件の検討なので、多くの社員のいる会社内で昼間検討するわけにはいかなかったのである。

この油田発見予測法は純粋な方法の新提案として探鉱開発技術会議で説明した。内容は石油資源開発の旧探鉱部が資料として保管している筈である。また、新手法を論文として纏めて発表しようと英文原稿を書いたが、私が本社には長く置いてもらえず、海外プロジェクトに出てしまったことと、松岡敏文が退職し、京都大学に奉職してしまったので今も原稿のまま眠っている。

 


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