園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(172)タリムプロジェクト(1)

ある年の正月明けのこと、探鉱部の次長(国内担当)だった私に森田謙宏探鉱部長(後に常務取締役)から指示が出た。中国のタリム盆地の鉱区評価のために現地にデータインスペクションに行って来てくれと言うのだった。通常、海外プロジェクトのデータインスペクションには探鉱部の海外担当が参加する。例外的な対応だった。その案件は石油公団が企画したもので、石油公団がプロジェクト化を強く望んでいたようだった。かつて日中石油開発の現地所長を務め、中国と“親しかった“斎藤隆が石油公団の理事になっていた関係もあり、中国に配慮した動きが石油公団の特徴になっていた。

真冬のタリム盆地に行くことになった。サハリン以来仕舞い込んでいた防寒着などを取り出し、先ずは北京に向かった。勿論プロモーターとも言うべき石油公団の職員が引率していく。数社の民間会社が参加させられていた。

北京から目的地の、タリム盆地の北東縁の街コルラへの移動は何と中国共産党の軍隊が運営している航空会社の飛行機で行われたのである。この飛行機だが暖房がきいていない。厚手のコートに防寒ブーツと言ういでたちなのだが、とにかく寒い。体が自然に震えだす。足先などジンジンしている。

飛行機は楼蘭だのロブノールだのと言った砂漠の有名な場所を飛び越えていく。いや、核実験場付近を飛んで行くと言うべきか。そしてコルラに着いた。飛行機から出てタラップを降りる前に既に咳き込んだ。次から次に咳が出る。大気汚染なのだろう。後で聞けばコルラでの暖房などは石炭を使っているとのこと。街全体が有毒ガスに覆われているようなところだった。

 


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