単純労働者が外国”人材”??

「人材(じんざい)とは、才能があり、役に立つ人物。すなわち社会に貢献する個人のこと」、これはウィキペディアの説明である。当然のことだが、専門的な知識、技術を持つものが人材と呼ばれ、特別枠でワークパーミットを得ることができるのは多くの国で行われている制度である。そしてわが国も同様の制度を運用してきたはずである。しかし昨年12月に成立した(改正)出入国管理法の特徴は「単純労働者」に枠を広げたことにある。つまり何か専門的知識、技術を持つ、わが国にとって有益な人材というのではなく、特別な専門知識も技術もない、単純作業に従事する、まさしく「人手」「労働力」の提供者なのである。すなわち、そもそも「人材」と呼ぶにはふさわしくない人々である。

ところが産経新聞などでは意図的誤用が行われているようだ。例えば1月4日の一面記事『新時代』を見るが良い。大見出しが「農業存続へ『攻める』」、中見出しが「TPP発効で競争激化。外国人材が生産現場を守る」とある。「外国人材が生産現場を守る」と大きく書いているが本文の中は異なる。

「茨城県鉾田市でイチゴを栽培する「村田農園」代表の村田和寿さんは、昨年12月に成立した改正出入国管理法に期待を寄せる。「労働者」としての外国人受け入れ拡大だ。」

の部分からも、外国人材ではなく外国人単純労働者を使おうとしているだけなのが分かろうというものだ。それが実体なのに、「外国人材」とさも専門知識、技術を持つ外国人の導入を図っているように表面を装う産経新聞、読者に真実を知らせるどころか、読者を誤った理解に誘導するようになっては既に新聞の定義に合致しないのではないか。

それにしても、単純労働者として、しかも年限が過ぎれば追い出される国にやってくる外国人労働者がそんなにいるのだろうか。「昔女工哀史、今外国人労働者」、そんな言葉が思い浮かんだ。

 


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