貝塚茂樹の教育勅語論

柴山文科相は就任記者会見で、戦前・戦中の教育勅語についてこう述べた。「(教育勅語を)アレンジしたかたちでですね、今のたとえば道徳等に使うことができる分野というのは、私は十分にある、という意味では普遍性を持っている部分が見て取れる」さらに柴山文科相は、教育勅語の使える部分として「同胞を大切にするとか」などを挙げ、「基本的な記載内容について現代的にアレンジして教えていこうと検討する動きがあると聞いており、検討に値する」などと明言した、と報じられた。この柴山発言に対して、貝塚茂樹は産経新聞(12月5日)の「快刀乱麻」欄の「教育勅語批判の矛盾点」なる寄稿の中で、

「多くのマスコミや野党は挙(こぞ)ってこの発言を問題視した。しかし、私にはこの発言のどこが問題なのかが何度読んでも理解できない。「問題だ」と批判するのは勝手だ。ところがその多くは、教育勅語の歴史や内容を理解しての批判とは思えない。内容どころか、「問題だ」という人々のほとんどは教育勅語を正確に読めないのではないか。教育勅語を読んだこともない人々が、感情的に教育勅語を「問題だ」と騒ぎ立てることの異常。こうしたお粗末で滑稽な状況が、戦後70年繰り返された教育勅語問題の本質のように思える。」

と述べている。しかし、「「問題だ」と批判する人々の殆どは教育勅語を正確に読めないのではないか」と馬鹿にするのはいただけない。貝塚がそう思っているだけかもしれない。また批判するものの多くは内容を理解していないものだ」というのもおかしい。肯定するものが内容を理解できていて、批判するものは理解できない連中だ、ではこの貝塚という人も単に批判者を批判しているに過ぎないと言えよう。

第三者として双方を見れば、どちらも内容を客観的に見ているというより感情的に言い合っているようである。貝塚茂樹の文中に次の件がある。

「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」は、戦争で犠牲になることを強制しているという。しかし、戦争となった場合、国のために死ぬことを直接的に求められるのは軍人である。ところが、軍隊および軍の学校において教えられたのは教育勅語ではなく「軍人勅諭」であった。この事実はどう説明できるのか。」

「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」は勿論戦争で犠牲になることを強制しているのではない。しかし、国のために働いて、『皇運を扶翼せよ』と言っているのである。すなわち、「天皇のために」となっているのだ。貝塚茂樹が教育勅語を肯定するために解釈を捻じ曲げているのが分かろう。その後がもっといけない。軍隊と軍の学校で教えられたのが「軍人勅諭」だったということは教育勅語の価値とは関係のないことである。こんな論法を持ち出すところに貝塚茂樹なる人物が、本当は教育勅語の内容を理解していないことが表れている。教育勅語擁護派の宣伝係の面が強い人なのだろう。道徳教育に必要な材料が欲しいのなら、何も教育勅語という「勅語」の一つを敢えて採用することなどせずに相応しい材料を作ればよいだけの事ではないか。教育勅語にこだわるからこそ、その意図を探られることになるのではないのか。もっともそう言う態度でなければ政府の委員になどなれぬのであろうが。そういうものが教育者であってよいのだろうか。イデオロギーに染まり過ぎたのも困るが、イデオロギーを目の敵に、感情的な議論を吹っ掛けるのも未熟者の行動に見える。くだらない論争など止めるべきだよ!

 


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