IWC脱退が暗示する安倍ー二階体制の前途

政府(安倍政権)IWCからの脱退を決めたことに対し12月21日の産経新聞の主張(社説)は強く批判している。冒頭は、

「政府が、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めた。なぜ、このタイミングの脱退なのか。日本は、外交、経済、環境問題などでの国際協調を何よりも重視してきたはずだ。再検討の上、翻意するよう求めたい」

そして、例えば、

「クジラ以外のクロマグロやニホンウナギなど水産関連の各国との交渉にも影を落とすだろう。日本がサンマの漁獲制限を提案しても、捕鯨で国際協調を乱しているとして説得力は得られまい」

といった問題点を指摘した上で、

「 政府はこれらを真剣に考慮したのだろうか。IWCにとどまり、調査捕鯨の継続によって「持続可能性を踏まえた生態系調査」の科学的データを蓄積し、粘り強く反対国の説得にあたるべきだ」

と安倍政権の対応を真っ向から批判しているのである。

そして12月27日にはその対応の裏話が漏れてくるのである。

「決断に至る過程では、古くから捕鯨が盛んだった地域が地元の安倍晋三首相と二階俊博自民党幹事長の意向が大きく働いたとみられる。一方、脱退は、オーストラリアなど反捕鯨国との国際協調に冷や水を浴びせる恐れがある。和歌山県太地町の三軒一高町長は26日、自民党本部に二階氏を訪ね、脱退決定に謝意を伝えた。二階氏は「(捕鯨を)徹底的にやれ」と激励。この後、三軒氏は記者団に「幹事長が地方の声を官邸に届けてくれた。神様みたいだ」と語った。
太地町は「古式捕鯨発祥の地」だ。その町を選挙区に抱える二階氏は早くから商業捕鯨再開を主張。今年9月のIWC総会で日本の提案が否決されると、10月に開かれた捕鯨議員連盟の会合で外務省幹部を「何をぼやぼやしているんだ」と一喝するなど、脱退に向けて強硬姿勢を強めた。
一方、首相の地元である山口県下関市も「近代捕鯨発祥の地」として知られる。ある政府関係者は、今回の決定で大きな役割を果たしたキーマンについて「山口と和歌山の政権ツートップ」と語り、首相と二階氏だったことを示唆した。」(時事通信、12月27日)

思った通りではないか。安倍首相と二階幹事長の地元が両方とも捕鯨の地なのである。二階氏の年齢と体調、安倍首相の体調と任期を考慮すれば、今捕鯨再開をしてもらわなければ困るとの突き上げがあったことは想像に難くない。安倍自民党総裁三選について、いち早く支持を表明した二階氏が捕鯨再開を条件にしていたのかもしれない。

それにしても、選挙地盤という個人的な関係先の希望を叶えるばかりで、日本の国家としての信頼を失わしめることを強引に進めるのは、国家の指導者として適性なきことを示している。加計学園への援助と同じパターンではないか。これほど国政を私した人はいないのではないだろうか。

しかし、今それをしなければならなかったのは、安倍首相にも二階幹事長にも権力者としての残り時間がなくなって来ていることの裏返しだと感じられる。事ある度に安倍批判をするようになった産経新聞の態度の変化を見れば、将来が見えるように思うが。参院選での自民党大敗北か、それとも参院選までに大波乱が起きるか、日本のためには早い方が良いように感じるが。

 


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