北方領土交渉、失敗を成功とする詭弁を許してはならない(1)

シンガポールで安倍首相がプーチンロシア大統領と会談し、通訳だけを同席させた1対1の会談で安倍首相はこう迫った。「もう歴史的なピンポンは止めよう。2人の間で領土問題に終止符を打つべきだ」(産経新聞11月16日)

これから、産経新聞は一面トップの見出しを「首相提案で交渉前進」としたようである。しかし、俗にいう裏がとれているのか。内容は1対1の会談の内容である。通常は秘密にされている。同席した通訳は職務上の守秘義務により、会談内容を漏らす筈がない。ならば安倍首相自らがそのようにリークしたとしか考えられない。そして1対1会談の内容が議事録になっている筈はなかろう。となればその信憑性などもとより無い。そしてそれを一面トップの見出しにする産経新聞は、確認のしようのないことをあたかも事実として掲載しているのだ。そして産経新聞にはこのようにも書いている。

「首相の一言でようやく腹を固めたとみられる」

そうあって欲しいとの願望に過ぎないのではないか。

「首相が会談後、記者団に『日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意した』と述べたのは、同宣言が日露両国の国会が唯一、批准した文書だからだ。その上で首相は「四島の帰属問題を解決して平和条約締結」という日本側の従来の主張をプーチン氏に了承させた意義は大きい」

この記事は間違いではないのか。先ず、批准したのは日ソ両国であって日露両国ではないだろう。同日の「主張」では「日ソ両国によって批准もされた…」と書いているではないか。お粗末である。そして、「両国が批准した唯一の文書だから、その日ソ共同宣言を基礎として…」はプーチン氏がかねてから、日本(安倍首相)が「四島の帰属問題を解決して平和条約」と持ち出すたびに言ってきたことでなかったか。産経新聞のこの記事には事実歪曲の感がする。一面トップがこれでは、恥ずかしくないのか。

ソースはすべて安倍首相の記者会見などであって、プーチン氏が記者会見で話した内容ではない。とかく、相手国と異なった表現で表面を取り繕うことが目立つ安倍政権の、確証なき発言をさも事実の如く伝えるのには大きな問題があろう。共同声明もなく、共同記者会見もない場合は、通常は物別れ状態を示すのではないのだろうか。

そして同じ1月16日の産経新聞の「主張」はこの一面記事とは全く異なるニュアンスのものなのだ。(続く)

 


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