あの産経新聞に登場し始めた安倍批判、その背景は?(3)

次にあげる例は産経新聞(11月7日)の「正論」欄の、西尾幹二による「日本は米国に弓を引いたのか」という意見だ。西尾は米国のペンス副大統領の10月4日の演説を例示しながら、米国に対する中国の干渉とそれに対する米国の決意を説明している。すなわち、

「米国は気付くのが遅かった。しかしここまでやられたので国防権限法を発動して、軍と政府のすべての機能をフル稼働させ中国の侵犯に対して自らを守り、全面的に対決することを宣言したのがペンス演説である」

とまとめ、「日本人はこの米国の本気度をどの程度、理解しているだろうか」と懸念している。勿論ここでは「日本人は」としてぼかしてはいるが本当は「安倍政権は」と言っているのは誰にでも分かるだろう。そして、

「このような折も折、わが国はとんでもないことを引き起こした。ペンス演説を政府の要人が読んでいなかったとはまさか思えない。強い警告が出されていたのを承知で、日本政府は安倍首相訪中により対中接近を図った。3兆4千億円の人民元と円のスワップ協定を結んだ。外貨が底を尽きかけた中国でドルの欠乏を更に加速させるのが米国の政策である。これは習近平独裁体制への攻撃の矢である。日本の対中援助は米国の政策に弓を引く行為ではないか」

と強烈に安倍外交を批判している。そしてさらに、

「日本の財務省は、スワップ協定は……対中援助ではないと言っているが、詭弁も甚だしい」

と切って捨てている。

従来「正論」にこれほどの安倍政権批判はなかったように思う。深層流の方向が変化したと感じざるを得ない。

 


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