園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(165)年次探鉱計画策定(5)

年次探鉱計画は次年度の探鉱作業計画を策定するものである。単に試掘位置の有望性の評価だけで終らない。実際に掘削するためには、敷地、そこに至る道路、橋などが必要である。さらに、日本国内の敷地となりうる平地の殆どは農地であるので、農地の転用手続きも必要である。掘削現場で使用する水の手当ても重要事項だ。すぐそばにとうとうと流れる川があっても水利権という面倒な規制があり、泣く泣く遠方からタンクローリーで水を運ぶことも珍しくない。日本の農業は、水利権も含め、規制と補助金でがんじがらめであり、凡そ自由主義経済の国とは思えない状況だ。自民党という政党の基盤が田舎の農業従事者、すなわち百姓政党の色彩を持つことに原因があるのだろう。

さて、そのような道路、橋、農地転用などの調査、交渉、そして許認可取得などを担当しているのは国内の場合は各鉱業所である。各試掘位置(ロケーション)に関するそのような事項の調整は本社探鉱部の各地域担当主査と各鉱業所の探鉱開発課を窓口として煮詰められていく。そしてそれらを正式に確認するために現地を視察して回る現地会議というものが実施される。それは実際にロケーションを訪ねて、諸条件を確認する「現地確認」と鉱業所における書類手続きなどの準備状況と、許認可取得スケジュールの確認などの2部構成で行われる。

その『現地確認』が形骸化するとややもすると「遠足」と呼ばれてしまうような状況に陥りやすい。ある意味で本社と鉱業所の探鉱関係者の交流の場でもあり、夜には大々的な懇親会が開かれるのが常である。時には言い争いが起こったり、いろんな人間模様が見られる場でもある。

そして本社で行われる探鉱本会議で年度計画が最終的に策定されることになる。

 


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