徴用工問題に見る日本外交(2)新日鉄の変節(下)

徴用工訴訟に関する動きを産経新聞(10月31日)の記事から簡略に示しておこう。

2000年5月:  三菱重工を提訴(1,2審原告敗訴)

2005年2月:  新日鉄を提訴(1,2審原告敗訴)

2012年5月:  韓国最高裁が、個人請求権の消滅を否定し、三菱重工、新日鉄に関する訴訟上告審を高裁に差し戻し

2013年7月:  ソウル高裁が新日鉄に、釜山高裁が三菱重工に賠償を命じる(再上告)

2018年10月30日: 最高裁が新日鉄の上告棄却。賠償命令が確定。

先のブログで再確認したように新日鉄は、2013年時点で、賠償命令が確定した場合には賠償に応じると言明していた。そして日本政府も、財界も、新聞もそれに対してそれほどの反発を見せていなかった。

しかし2018年10月30日の賠償命令の確定を受けて、日本政府が猛反発を今になって急に始めると、新日鉄は「極めて遺憾」とのコメントを発表し、今後の対応については「判決内容を精査し、日本政府の対応状況なども踏まえ、適切に対処する」と述べたとのことだ(産経新聞2018年10月31日)。

基本方針などいとも簡単に変更する会社であるが、何故正反対の対応になったのであろうか。それは「日本政府の対応状況なども踏まえ」とあるところから分かる。要するに「政府の方針に沿う」というのが会社の方針なのであろう。今井敬が新日鉄の社長、会長を務め、現在、安倍首相の秘書官を務め「陰の総理」と呼ばれる今井尚也がその甥なのだから。新日鉄には企業独自の理念、方針など持ちようはないのかもしれない。私は新日鉄の一部のビヘイビヤーしか直接には知らないが、とても筋の通った良識的なものには見えなかった。

それにしてもこの徴用工裁判における新日鉄の腰の定まらぬ方針についてメディアは何故指摘しないのであろうか。そこには政権になびくだけの、御用新聞の姿が見える。日刊ゲンダイという気迫のこもった例外的なものもあるにはあるが。

 


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>

にほんブログ村

selected entries

archives

recent comment

  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(88)人事考課を書き換えさせた石油資源開発人事部
    名無し (10/15)
  • 国際石油開発帝石(インペックス)は経営行き詰まりなのか?それを暗示する現象(2)
    名無し (08/20)
  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(132)ホテル代の踏み倒し
    No use (07/25)
  • 論理の誤り―纏向遺跡と桃の実の年代
    No use (07/24)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    No use (07/24)
  • 『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』を電子出版化した
    ふひと (07/11)
  • 国際石油開発帝石のイクシスプロジェクトは「大失敗」?!
    高松 和弘 (06/27)
  • 起きる確率の高い南海トラフ地震の被害額が1,400兆円以上と言うなら
    toshi (06/14)
  • 決裁文書の事後改竄は単なる文書管理の問題ではない
    giinnokoe (06/01)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    名無し (05/28)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM